日別アーカイブ: 2019/09/04

日々雑思 静かな暮らしと明るいニュース

庭のダイコンが立派に育って収穫。久しぶりの食感。やはり美味しい。客も喜ぶ。こうして畑を耕していると午後の雨も嫌ではなくなる。ニラもルッコラもあれよという間に大きくなりわっさりとしている。味が濃く、ニラはニラの味がして、ルッコラはルッコラの味がする。オクラを植えたはずなのに出て来たのはスイカ。ついぞスイカの種など買ったのこともないのになぜとなるが、そのままにする。客の出かけた後、のんびりと雑草を取り除く。指先に着いた土を嗅ぐ。昨夜の雨で湿り気を帯びた豊かな匂いが鼻をくすぐる。土に近い所にある暮らしはいいものだ。

湖に軽石を探しに行く。カルデラ湖なので軽石が転がっていて、それを持ち帰りコンロや鍋などの磨きに使う。湖畔を散歩しながら適当な物を探す。大きすぎてもいけない、小さすぎてもいけない。ちょうどよいものを2つ拾った。カバンに入れ、木陰で休む。風に揺らぐ木漏れ日を見ているとうとうとしてしまい夢と現実の境で半刻ほどさまよってしまう。虫の羽音、遠くを走るボートの男、かすかに聞こえるブラスバンドの演奏がサンペドロにいることを認識させてくれる。地元というものはこうした気持ちであったと久しぶりに思った。それは悪くない感じ。

宿のやりくりは相変わらず厳しいが、のんびりと過ごせる時間があるというのはいいものだ。独りでいて寂しくないのかと聞かれるがそんなことは全くない。ハンモックに揺られ湖を望む、山の向こうに湧く雲を眺める。鳥の声、人々の暮らす音、匂い。宿に漂う静けさ。難しい事など考えずにただこの村に流れる時間に身を任す。こうしたことがやっと出来るようになった。この宿の良さがやっとわかった気がした。遠い昔、まだ子供だった頃に訪れた田舎。都会にはない不思議な感覚。なにもないのにすべてが満たされていて過不足がない。ポツンと置かれた自身の絶対矛盾的自己同一。悠々として急げこの言葉の意味がはじめてわかった。この宿は良い宿だ、宿に色がついた。

いい宿ついでにもう一つ。サンペドロにリゾートホテルが建った。キレイキレイ。安く設備充実。地元のホテルも皆こぞって見習い、値上げに踏み切った。人気もある。こういうのが1つできると人が来るので村は少し助かる。スペイン語が不安でも英語で大丈夫なのが有難い。最近の日本人は皆英語が話せるので不安なくやって来れる。言語で感じるストレスは意外と大きいのでこれは大きなメリットだ。外国人がこの村の経済を引っ張ってくれるのはいい。マクドナルド、ウォールマート、映画館、レストラン、クラブ、ハードロックカフェ、バーガーキング、デニーズ、セブンイレブンなんかが出来てくれたら職も増えるし村の人も働ける。英語も覚えるであろう。若者のチャンスが広がることはいいことだ。娯楽施設が出来るのはいい。恋人たちが幼くして子供を作ってしまい貧困に落ちることも防げる。バイトが出来ることで人生の喜びを甘受できる。日本と同じように暮らしが豊かになり、犯罪が減少する。交通も便利になるだろうし、インフラも整う。観光客も利便性が向上するのでなんの不自由を感じる事なく滞在出来る。うちで提供出来ない日本と同じレベルのサービスが受けられるようになれば観光客のストレスもなくなるだろう。僕自身もレストランやスーパーで働くこともできそうだ。幸いツーリストエリアと居住エリアも分かれているので静かに暮らすことも変わらない。まだ少し時間はかかるかもしれないけど村の発展には嬉しいニュースだ。