日別アーカイブ: 2018/10/13

日々雑思 パーティ

パーティ

グアテマラ人女性のパーティ。うちの宿で催す運びとなり、当日は朝から準備に追われる。午後からスセリーとアナがやって来て手伝う。2人がそろうとお喋りばかりでなかなか思うようにコトが運ばないのだけれど、案の定今日もどうにもいけない。それでも時間までにはなんとか間に合い、ぞくぞくと客がやって来始める。アナがそわそわしている。どうしたと聞くと家に戻ってもいいかと言う。どうしたのだと再度聞く。「着替えたい、髪をとかしてから来たい」と言うのでピンときた。そう言えばスセリーは珍しくお洒落な民族衣装を着ているし、やってくる客もめかし込んでいる。アナは自分が普段着である事が恥ずかしくなってしまったのだ。「いそげ」と言うと飛んで帰った。戻って来たアナはこれまで見たこともない立派な民族衣姿となり、髪も良く整えてある。なるほどと膝を打ちたくなった。

普段はおとなしく、慎ましくいるグアテマラの女性たちも、いざ女性だけの集いとなれば一世一代のめかしこみをして臨のだ。独身も既婚も子持ちも子無しも関係なく集いを楽しみにしていたのだ。キャイキャイとよくはしゃぎ、酒もないのによく話、よく笑い、よく体を振り回して楽しんでいる。エロ話も旦那の愚痴も、恋人の話も全部ぶちまけてのストレス発散の場となった。そんな場に相応しくないとアナは感じたのだ。スセリーは知っていたのかと感心した。歳は1つ違いでもそうしたことに敏感な娘もあればそうでない娘もいるのは日本となんら変わりない。
スセリーとアナはそんな雰囲気にのまれてしまい少し萎縮している。3階にあがるのが恐いと言いだす。3階に置き忘れたコップを持って来いと言うとスッと行くのだけれど直ぐに戻って来て無かったとモジモジしている。彼女たちの迫力に負けて目の前にあるものも見えなくなっているようだ。仕方なく取りに行くとあっという間に質問ぜめに合い、タジタジとなってしまった。これでは彼女たちでは形も無しであろうと合点がいった。

いつもはタンクトップにぶっとい身体を押し込んでピッチピッチでいる彼女たちも民族衣装を身にまとうといつもとは全く違った雰囲気になり、しとやかに見える。年齢の話になったときに再び驚く。おばさんだと思っていた彼女達は客よりずっと若いことを知る。どもにもグアテマラ人の年齢はわかりずらくていけない。一体いつからあのように急激な老化が始まるのであろうか。少し見ない間にあっと驚くほど体がデカくなり急激に歳をとる。誰だか見分けがつかなくなってしまう。ついこの間まで働いていた女中もふたまわりほど大きくなっていて驚いた。民族衣装はそんな彼女たちが着るととてもよく似あって見える。通りで見かけた時、二度見してしまった。たった数ヶ月だというのに。

パーティにはホームスティをやっている女将もやって来ていて、レシピを根掘り葉掘り聞いてくる。自分の所でも日本食を出したいと言う。レシピを教えると喜んでいた。後日、スーパーでバッタリと会う。このあいだの調味料はどれとどれだだと聞くので教えてやる。これで出来るのかと聞くので詳しく教えてやった。どうせ同じ味は出せないのだ。料理とはそういうものなのだ。これまで何度かよく教えてやったが、いずれもうまく出来ないと嘆いていた。グアテマラ人は鼻はいいが舌はバカなのだ。目も耳も節穴だから食材の声が聞こえないのだ。千切りのキャベツを見せるとどの機械を使ったのだと言う。手だと言うと信じない。見せてやるとお前の手はすごいと驚く。包丁を見せてやると驚いている。怖くて使えないと言う。調理するのを見せてやるとやりたいと言うが出来ない。衣食住は生きていく上での基本中の基本であろうに、ないがしろにしているからその様な体たらくとなるのだ。出直してくるがよろし。

ある日、朝から雨の音で目覚める。朝早くのボートに乗る客の事を思う。かわいそうに雨の出発かと気の毒になる。降りて茶を沸かし弁当をこしらえてやった。いつもは言わないのに、ダメだったら戻っておいでと声をかけてから驚く。なぜその様なことを言ったのだろう。他の客に朝食を出している時に扉が開いた。出発した客が戻って来た。メキシコで集会がありバスが通れないので今日はダメだと言われたと言う。寒そうなので温かな食事を出してやる。ボートのチケットを使ってしまったので、ツーリストオフィスへ行き、明日の確約とボートチケットを再度もらってやるととても喜んでいた。雨季の終わりは雨が強くなるので天気予報を見ると台風が来ていた。どおりで。客が近くの村に行きたいと言うが雨だからやめておけと言う。諦めきれない様子なので女中のスセリーに雨は止むかと聞く。スセリーは「見ろ、あそこが見えない。雨だ。今日はダメだ」と言う。客もそれを聞き諦めた。雨のせいでネットも切れたので皆、おもいおもいに過ごしている。かわいそうであったのでチーズケーキを作ってやった。生と焼きの両方を作る。生は今回初めてであったけれど前々からよく考えていたので良い仕上がりとなった。女中のアナも欲しがったが、来なかったので全部食べてしまった。