月別アーカイブ: 2018年3月

日々雑思 筆が遅くて

めっきりと更新が遅くなっています。サンペドロの生活で日々感じる事はあるのだけれど、どう切り取ったものかとあぐねてます。

セシー辞める

ある日、妹のスセリーがやってきて「お姉ちゃん怒って他の仕事みつけちゃって働き出したよ」と言う。呆気にとられる僕。まぁ辞めてしまったのはしょうがないと思いなおし「そうなんだ、わかった」と答える。スセリーもちょっと困惑した顔をしている。

ことの始まりは「週末の金曜日を休みたいと」セシーが言うので、休みをあげたことからはじまった。金曜日は何事も無くすんだのだけれど、日曜日にセシーからメッセージが届いた。そこには明日休む事が書かれていたので、セマナサンタの今週はなにかとあるのだと思い、来週は休んでも良いからと返信をした。土日に働きにきているアナに来週働けるかと聞くとできるというので僕はアナに仕事を頼んだあとにセシーから月曜日に行くと返信が返ってきた。僕はすでにアナに頼んだから再来週からと答えた。

セシーはふだんネット環境をもたない。僕が見たメッセージは実は金曜日にセシーが念の為に送信したメッセージだった。ところがセシーはメッセージが送られる前にネットを切ってしまいメッセージは宙ぶらりんのままとなっていた。日曜日にセシーがネットにつなぎなおしたときに未送信だったメッセージが僕に届いた。

僕は月曜日の事だと思ったので快く休ませてあげたつもりだったのだけれど、セシーからすると突然休めと言われてカッと頭に血がのぼってしまったらしい。すぐさま新しい仕事をみつけて1週間だけ働こうと思ったみたいだけれど長く働いてくれと言われ承諾してしまったと言うのが事の顛末。グアテマラ人気質というか、僕の想像外の事でぶち切れてしまい、対応する間もなく事を運んでしまった。隣りのドーラやアデライダもそうであることからこのへんの女性の気質なのかも知れない。

タクアシンヲタベテミタイ

その動物を見たのはカンクンの宿。鼻がすんなりとしてシッポがひょろりとした狸くらいの動物。どうやら食べられるらしい。「身は鳥肉、味は豚肉だ」という。「何処にいるのだ」と聞くと「そのへんにいる。夜に出る」という。「食べたことがあるのか」「ない、でもお爺さんが食べていた」「お父さんは食べたことがある」「お前も食べたいのか、今度摑まえておいてやる」などと様々な答えが返ってくる。

ある日、屋台へいく。ブタアバラのBBQを頼んだのだけれど、サイズが小さい。骨と骨の間が狭い。「これはブタか」「そうだ」「タクアシンを知っているか」「知っている、食べたいのか」「これはブタか」「そうだ」「タクアシンハブタノアジガスノデアロウ」「ソウダ」「コレハブタカ」「ソウダ」疑惑は残ったけれどどうやらブタらしい。村のみんなが知っているが食べた事がある人の話を聞いた事がない。鶏肉の見てくれで味は豚とは何とも変わった動物が近所にいるのであれば是非とも一度賞味してみたいものだ。

セマナサンタ
キリストさんが死んで復活するまで祭のこの期間。村には出稼ぎに行った人々が帰ってくる。メルカドは夜までにぎわい、通りには屋台がいつもより並ぶ。人の通りもいつもより多く、見たことが無い顔が見た事がある顔と連れだって歩いている。家族のようだ。ロープ屋の店先に並ぶ腕時計を楽しそうに選ぶ人がいる。中古のニセモノだけれども買ってももらっている方はニコニコと嬉しそう。「今日はなんで人が多いのだ。セマナサンタだからか」と聞く。「出稼に出ていた人が家族のもとに帰って来ている」とロープ屋のオヤジが教えてくれた。
通りに出るとなんだか恥ずかしそうな顔をした子どもが新しい洋服をきせて貰い父親らしい男に手を引かれている。子どもとしてはいつもは居ない父親の手に引かれて歩くのがなんだか恥ずかしいやら、うれしいやらなのであろう、微妙な顔をしているが屋台で大きいほうのケサディーヤを買ってもらい喜んでほう張っている。

まだ子供のころ、田舎の弥八さんが出稼ぎに来ているので今日は家に泊るからと母親が言って布団を敷いていたのをふいに思い出した。40年程も前のことなのに。弥八さんは福島から冬の間東京で働いていると言う。どうして東京で働いてるいるのか僕にはわからなかったけれど、何か大変なのだということはわかった。ここに住む人達も同様に半年も家を開けているのかと昔の日本と重ねて見てしまう。
せっかくの帰省だからごちそうを用意してふだんの労をねぎらってあげる家族の姿がそこにはあった。プロセシオンとよばれるキリストが自分が磔にされる十字架をかついて歩かされる様子を模した像を乗せた御輿をかつぐ行列が目の前をゆっくりと通りすぎる。横切ろうとした親子連れ、子どもはちょっとけつまずいて、手に持っていたカットフルーツを落してしまい、半泣きの顔になっていた。それを見た父親は笑って子どもをなぐさめている。父親の背中に大きな十字架が見えた気がした。

日々雑思 久し振りの更新だけれど

久し振りの更新、パソコンに向かうも書くことなし。しばらくパソコンに向かっていると雀が屋根と壁の隙間から入って来てこちらをじっと見ている。この部屋は天上に隙間があって夜は寒いがこうした客がやって来るのでいい。

少し前に引越しをした。1階のまともな部屋から追い出されてテント生活やハンモック生活を経て2階にあるトタン屋根の部屋に落ち着く。この部屋は以前は客室であったけれど、申し訳ない気がししていたので、これを機会に引っ越した。これで客室は7室となる。

今年は去年とは違い、まったく客が寄り付かなかったのでこのままでは首をくくるか、追いはぎにでも転職しなければならないと考えていた。道の工事やら山賊のうわさ話があったと聞くが、きっとこの宿が飽きられてしまったのだ、高すぎるのだと言われ客が来なくなったのだと思い悩む。

それでも、やる事はやっておかねばと庭を作り、台所の壁をぬり、タイルを貼った。風呂場に小物置を設置してシャワーの湯温を調整しなおす。Wi-Fiのルーターを2階に移した。珈琲を自家焙煎にして、カカオからチヨコレイトをつくり、イチゴ大福をデザートにくわえた。

ポツリポツリとやって来る客は、直ぐに宿を変え、出て言ってしまう。偶に根性のひん曲がったババァがきて高飛車にものを言い管理人をトイレに閉じこめ、好き邦題言うので追い出してしまった。とうとう客は0となり、3月は宿を締めて何処かへ出掛けようと決めた。

たまに来る客にも宿を閉めるらしいと出先で言っておいてくれと頼み、問合せのメールにもここには来ないほうがいい、ツマラナイからヤメテオケと返信をするのだけれど、こちらが死なない程度にやってくるものだから、だらりだらりと宿を開けておく。

この間、ずいぶんといろいろなことがあって書きたいことがあるのだけれど事が事だけに書くことができない。ツマラナイ男とめんどくさい女の話、宗教にとち狂う女の話はいつか書いてやろうと思う。

庭と部屋の改装をしようと大工のミゲルに問い合わせる。すぐにやって来てサッと見わたして値段を言う。法外な金額に驚き、また今度にすると答える。最近、ミゲルのぼったくりは酷いので、他の大工に聞くと、それがミゲルの耳に入る事となり、フェイスブックで不幸をと書き込まれてしまった。道でミゲルに会う。なぜあの様な事を書いたのだと問い正す。「アレはこのあたりの挨拶だ、お前こそなぜ他の大工に聞いたのだ」としらじらしく言うので「こちらはお前達の文化を尊重しているが、お前達はまったく此方を理解しようとしないのだな、値段を聞くのは当たり前の事であろう」と答えると「むこうは幾らと言ったのだ」と言うので「お前には関係の無い話だ」と無碍に答える。ブツブツと言っているので「おまえには技術がない、卓を作らせても満足な仕事をしていないだろう、高いだけで役に立たない卓を直したのは俺だ。お前に出来ないからほかに頼むのだ、だが今回は自分でやる事にしたからもういい」と言ってやった。ミゲルはサンパブロの男でサンペドロで仕事をするうちにズルくなって悪くなってしまったのだ。サンパブロは貧乏だからこうしたことになるのかも知れない。字もロクに書けない男なのに嫉妬心だけは一人前に持っているのだ。つまらないプライドばかりで中身の無い貧しい男、サンパブロのミゲル。
後日、ミゲルがやってきて、様子をうかがいに来た。庭を一目見て負け犬のような半笑いをして帰って行った。このところ材木や白砂を運び入れているところを何処からか聞き付けて気になっていたのだきっと。良い物をみたことが無いミゲルには到底できるはずもない庭を拵えてやったのですっきりとした。

蒲団を干そうとハシゴを昇っているときに折れて落ちてしまう。うんとこ痛かったがズボンが破れたことが血だらけになった膝より悲しかった。とうとう旅に出る時に用意した服はすべて穴が開いてしまい乞食にでもなったような気分となる。
こわれたハシゴは木が所々腐っていてこれ以上は使えないので新しい木材を買ってきて作りなおす。途中、古釘を踏んでしまい脚の裏にグサリと刺さった。夜になり、足が腫れて来たのでそうそうに休む。翌朝は更に腫れている。びっこを引かないようにゆっくりと歩いてメルカドへ行く。買物をしているとき、大きなおばさんに足を踏まれる。声にならないほど痛かった。足の裏にヌメリケを感じる。溜まってた膿が押し出されてぬるぬるとして気持ち悪い。湖へ行き足を洗った。カフェはハシャイで鳥を追いかけまわし嬉々として遊んでいるのでしばらく腰をおろして休む。ビシャビシャとなったカフェが戻ってきたのでいっしょに帰る。再び足を洗ってじっとしている。膿が出てしまったので腫れが引き随分とスッキリとなる。