出雲大社・松江城・鳥取砂丘をめぐる

ある日

朝、窓から外を見る。人影なし。島根の雲は山の方からくる。小田原は海から。
オートバイに荷をくくり出発する。出雲大社へ。

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門前の店はまだどこもやっていない。鳥居の前でうやうやしくお辞儀をする外人がいる。入り口にはまだ縁が結ばれていない若い娘たちが神妙な面持ちで手水をしていた。きゃーきゃーと騒ぐことなく厳かにしているのはきっと良縁が無く深刻なのに違いない。
中に入ると大きくて太いしめ縄が垂れ下がり、ありがたみがありそうに思えた。賽銭を投げ入れパンパンと柏手を打つ白髪混じりのおばさんがいた。藁をも掴む思いなのか、今更ご縁談でもないであろうに。
絵馬がくくり付けられているのでそれとなく読んでみる。業の海を行く小舟のように気持ちがグラグラと揺れて2枚も読んだところで女の情念に恐れをなす。伊勢神宮にすればよかったと来た道を引き返す。

道に出たところにあるコーヒー屋は確か去年島根に初めてできたとかでネットで読んだ気がしたので入ってみる。聞くと「ここは2号店である」と言う。「トトリにも出来るのか」と尋ねると「そうだがまだできていない。あっちもニュースになっている」と自慢げに答えてくれた。
コーヒーを飲んでいると先ほどの娘がやってきたので「あの山はなんだ」と尋ねる。娘は一気にまくし立てた「あれは三瓶山だ。島根には土地がないので神さんが大陸から土地を持ってきてここに置いたが流れてしまってはいけないとくくりつけるために打ったクサビがあの山だ。島根で一番高いのだ」標準語で話すので土地の者ではないのかと尋ねると本当はすごくなまっているが隠しているのだとそっと打ち明けてくれた。あなたの標準語もとてもうまいが、どこから来たのだと聞かれた。神奈川だと答える。アレと鼻でいなし「また来てください、その時はいるかどうかわからないけどフフフ」と言ったきりどこかへ行ってしまった。やはり出雲大社はご利益があるのだと納得した。

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宍道湖のほとりでしじみ汁を飲んだ。しじみの味だったのでこれまで飲んできたしじみ汁はやはり本物であったと安心した。松江城に立ち寄る。上から眺めていると忍者らしき人が歩いている。慌てて行ってみると忍者だった。手裏剣を子供に自慢していたのできっといい忍者なのだと思い、記念写真を頼んだ。快く承知してくれた。

トトリに通じる高速道路は未完成なので申し訳ないのか無料区間になっていた。小さいバイクや人は通れないことにしてあったが、どうせタダなら誰でも使えるようにしてあげても良さそうだ。

道の駅で昼食。観光客がいないのに地元のジジババで賑わう。皆、昼食を食べに来ている。一人のおばあさんが自分のところで採れた野菜なのだと自慢する。厨房で働いているのは妹で65歳だと教えてくれた。どうりで野菜も味付けもうまい訳だ。観光客が噂を聞きつけてなだれ込んだらあっという間に終わりだろう。

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砂丘の駐車場200円。砂丘への階段を上る。目の前に砂浜が広がりワッとなったがよく見みると思っていたほど大きくはなかった。砂丘の入り口にはラクダが口をモグモグしながら飼い主と所在無げに座っていた。写真はラクダと一緒に撮るなら500円ラクダだけなら200円。来るまではラクダにのって月の砂漠を歌ってやろうと意気込んでいたが、シュンとなくなってしまった。
砂丘に登る。さらさらとしているかと思いきや土っぽかった。やはり砂漠では無く砂丘なのだ。てっぺんから見る景色はキレイでしばらくボーと眺めてしまった。
振り返るとスーツを来たサラリーマンが登ってくる。トトリのサラリーマンは砂丘にもくるのだと感心した。

帰り道。名古屋に泊まりエビフライがいいと高速に乗る。雨。寒さでブルブルと震えてしまう。路面が濡れていて怖い。大阪の手前で宿を探すが見つからず1時間ほど費やしてやっと豊川に見つけた。台風の影響で風が強くオートバイが隣の車線に飛ばされてしまう。きっと良くないことばかり考えていたので神さんのバチであろう。でも今は大社の神さん達は全国に散らばっているはずなのに。
ホテルについてシャワーを浴びた後、鏡をみると目の下にクマができていた。すぐに寝る。

おわり

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