アンティグアにて

マクドナルド

いつの頃からか一番好きな飲み物はアイスコーヒー。今では、明日世界が滅びるとしたら僕は最後にアイスコーヒーを飲むと決めている。ところがこの飲み物最近でこそ海外で飲めるようになりだしたけれどもまだ普及していないので海外にいるといちいち探すのがめんど臭い。アンティグアのマクドナルドに入って目に飛び込んだアイスコーヒーの文字に心踊ってしまう。しかも氷がたんまりと入った極上のもの。僕はアイスコーヒーというよりそれに入った氷が好きなのだ。1杯を堪能した僕はホテルにチェックインして再度、出かけてそれを頼む。至福の時間とはまさにこのことなのだと知る。

 

土産物屋

以前から気になっていたTシャツを買いに時計台の近くの土産物屋に赴く。中に入って目当てのものを見つけて店員にサイズ色を出してもらう。店員を待っている間、男の子がやってきてチーノかと聞く。僕はハポネスだと答えるとチーノとハポネスは一緒の国かと聞くと僕の凸凹のない顔を見て自分の目の端を両の手で押さえて左右に引っ張ってからニーと笑う。そして何が好きだと聞く。
「オジサンは象と豚とライオンが好きだ」と答えると不思議そうな顔でしばらく考えてから意味不明の言葉を残して走り逃げていった。

 

観光

グアテマラの雰囲気に慣れきってしまいもはやチキンバスなど見ても何も感じないし、民族衣装にしても普段着としか認識できなくなって久しい。この辺りの観光地は僕にとっては近所の神社くらいにしか思えなくなっていたのだけれど今回は別。シャトルバスを降りた時から初めての景色に心踊るのでそれではと定番の観光スポットを時間潰しに回ってみる。よく絵葉書にあるような場所を歩き、観光客に同化すると不思議と楽しい気分になって来て、写真なんかを撮りだす始末。しばらくぶりの小旅行は修学旅行で行った京都奈良と同じであった。

 

結婚式

丘の上で記念写真を撮ると言うので待ち合わせの場所に急ぐ、迎えにきてくれたエミさんとホエルが残念そうに丘の上は今土砂降りで写真は諦めることにした。これから弁護士の事務所に行くので一緒に来てくれと言われる。弁護士の事務所に行くとすでに書類があって、説明を受けたあとサインをする。僕にもしろ、名前を書いてくれ、丁寧に書いてくれと頼まれる。字の下手くそな僕はこうしたことは苦手なのだけれど、ここはグアテマラで誰も僕の字が下手かどうかなど分からないのでのびのびと書いてしまった。

7時から披露宴パーティー。サロンには人がたくさん入っているが、ほとんどが英語を話す西洋人で馴染みのある顔つきのグアテマラ人はシェラからきた先生と数人。西洋人の男や女は顔は小さくても顎は太い。胴体からしっかりと幹のように頸が伸びていて、その上に顔がついている。丈夫な食道だの気管だの血管だのがぎっしりと詰まっていて、たくさんの血が上り下りして動悸をうっている大切なところだと言うことがよくわかる。
グアテマラ人は顎は人一倍丈夫そうなのがついているけれど頸がない。大切な器官を見せないように、首をかき切られないように引っ込めてしまったイノシシのような首。侵入者がすぐに見つけられるように大きなぎょろりとした目が顔の真ん中についている。僕の顔はきっと顔の真ん中に※のように集まったような、ザリガニのような顔をしているのだ。歩き方も心もとない。

○ ローストビーフ
○ アバラ肉の煮込み
○ 魚の煮込み
○ 海老のジュレ
○ カレーライス
○ サラダ
○ ケーキとチョコレート

隣に座ったのはシェラでスペイン語学校の先生をしている女性。僕は彼女を知っているが彼女は僕を忘れてしまっていた。彼女はローストビーフを見て「オイシソウ トッテモ」と言いながら僕に「これは料理できているのか、とっても赤いけど大丈夫なのか」と聞く。「これはローストビーフといってとっても美味しいのだ。すでにたくさん料理されていて問題ない」と答えると「作れるのか、どのように作るのか」と言う。「フライパンで焼いてからオーブンに入れる。1時間入れる」と答えると彼女はそれを口に入れてしばらく味わったあと、ごっくんと飲み込んだ。音が聞こえてくるほど彼女の喉が上下に動いた。「美味しい」とぼそりと言ったあと彼女は僕に目もくれずあっという間に平らげてしまった。

その隣の女はホームステイ先の主人だと言う。彼女はローストビーフは頼まなかったが欲しくて欲しくて仕方なくなったので女中さんに「私もあれ欲しい」と頼んでいる。待っている間僕に「日本にはこれがあるのか。いつも食べているのか」と言う。僕は「ある。でもそんなぁことは、たまぁのことよ」と答えたところで料理が運ばれてきた。彼女もまた喉を鳴らしてあっという間に食べてしまった。

 

バス

シャトルバスに乗り込み出発を待つ。すでに空いている席は補助席しかない。遅れてやってきたアメリカ人はすでに混んでいる車内を見て「ふぁっくな椅子だふぁっくな椅子だ。ワクワクするよ4時間だろ」とブツブツと文句を言いながら手を大げさに広げて運転手に懇願の目を向けるが、運転手はさっさと運転席に戻ってしまう。

グネグネとした山道を抜けると高速道路にでる。そこからはどんどんとスピードを上げて山を下っていく。窓の外を見る。山林というのか、雑木林というのか、名所旧跡ではない名前のつかないぼおんやりとしたこうした景色が僕は好きだ。

ドライブインに着く。一行が車から降りると民族服を着た女の子がイチゴを持って「試食ができるよー心配ないよー」と早口でまくし立てている。西洋人の子供が近づくと1個を渡す。女の子は母親の方を見て食べてもいいか伺っていたが母親が大丈夫だというと一気に口に頬張ってもっぐもっぐと食べてしまった。勢いのついた女の子は続いてナッツ売りのおじさんのところへ行ってそこでも試食する。もう母親の方を見ず渡されるままに食べてしまう。母親は仕方なく女の子にナッツを買ってあげていた20ケツアレス。とっても高い。

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