日々雑思 客のいない日

時間を気にしなくてもいいはずなのになぜか決まった時間に目を覚ます。いつものようにコーヒーを入れゆっくりとすする。スズメたちがやって来て飯をくれとせがむので花壇に撒いてやる。嬉々として餌をついばみパチパチと殻をわる音がする。死んだピピの葬いのためにはじめたが今ではすっかり日課になってしまった。スズメもなれて来たのか近づいても逃げない。今は雨季ではあるけれどこの時期ぽっかりと雨がふることがない期間があって過ごしやすくなる。村は観光客が絶え、静かな雰囲気がやってくるこの季節、なぜ今時期にここへやってこないのであろうと思ったりもするが旅人には旅人の都合があるのだと考え直す。年末にかけてとても忙しくなるのだけれど、この時期にやってきて、ゆっくり勉強する時間を設ければ南米にいった時に言葉も困らず、ゆとりを持ってウユニへ向かうことができると思うのだけれど・・・

 

セシリアが随分と頑張ってくれるので掃除に庭の手入れも全て終わってしまった。2階の倉庫からガラクタを運び出し、以前川だったところもキレイに整地する。コンポストで作った堆肥も随分と庭に入れたので残りわずかとなり見違えるようにキレイになった。今は庭から出る枯葉と堆肥を混ぜて腐葉土を作る準備中。やることがないので庭の石をくりぬいてつくばいと筧をこしらえた。予想外のできに満足して次回は灯篭を作ってやろうと決めた。

セシリアは今日も客はいないのかと聞いている。いないと答えると今日は何をするのだ、仕事がなくなるのかと聞いてくる。僕は仕事はない、でも作るから安心して良い。仕事がなければスペイン語の先生として雇うから毎日来てもよろしいと言うとニッコリと笑って喜んでいる。買い物に行かないので食べるものがなくなってきて、セシリアに食べさせる朝ごはんがない。そこでカフェに行こうと誘うと今日は変なサンダルだからダメだと言う。何が変なのかとんとわからないが若い子が気にするのだからそれでよしとした。

 

汚水槽に問題があって溢れそうだったのでミゲルを呼び、古い汚水槽を再び使えるようにしてくれと頼む。ミゲルは汚水槽を掘り直し、再び使えるようにしてくれる。隣のドーラが「水が逃げないのは通り道を見つけていないからだ。よく探さないと水が逃げずに使えなくなる。うちは2メートルもないが水の通り道があるのでいっぱいになったことがない。こんなやり方をしているのはサンペドロだけで他ではドレンに流れていってしまうのだ」と言う。ともあれ古い方は3年も使ったのだから今度はおそらく大丈夫だろう。新しい方も水が抜けた後にもう一度彫り直して今度はきちんと働くようにしておけば何かの役に立つであろうと考えることにした。

工事の時、排水パイプを移動しようとしたのだけれどミゲルが言うにはお金がかかりすぎるからもう少し後にしたらどうだと言う。僕は早いところ済ませてウッドデッキ作りに取り掛かりたいのだけれど汚水槽の様子がわかるまで待ったほうがいいとミゲルが言うのでそれもそうだと今回は持ち越しとなった。

 

犬の散歩のついでにカバさんのところによて親子丼をご馳走になる。後日、客がいないと告げてあったので心配してか様子を見にきてくれる。カバさんはウクレレに似たなんとかと言う楽器を弾くのが上手くて、バンドをやっている。月曜日の昼はカフェで定期演奏をしていてなかなかの人気だ。奥さんも一緒にやっている。奥さんのヒロさんとはスペイン語学校の同級生でもあるので仲良くやっている。ヒロさんは鍼灸師で一度肘を痛めた時に針を打ってもらったけれど1度ではなかなか効かないものらしい。見かねたメイさんがメキシコで薬を買ってきてくれ、それを塗ったらアレヨアレヨというまに治ってしまったので、ヒロさんにはそれ以来頼むことがなくなってしまった。

 

バカ犬の幸代はメイさんたちがいなくなって、頼る人が僕しかいなくなってしまったのでずる賢くすり寄ってきては僕の手を舐めたりする。まったく気持ち悪いったらありゃしない。逃げることは諦めてはいないはずだけれどもなんとなく居座っているので仕方なく散歩も連れていっている。たまに調子に乗って悪さをしでかすけれど、綱を伝わる僕の気持ちがわかるのか時折ハッとしてビクついているのでよしとする。カフェは夜になるとやってくる小さなネズミが気になって仕方ない。先日、罠を仕掛けたけれどずっと餌だけ取られてしまい困っていた。ところが夕方、ノコノコとやってきたネズミをカフェが捕まえた。カフェもご満悦で尻尾を振って喜んでいる。冷蔵庫にあったハムをご褒美にあげる。

 

夜、映画を見るかもらった漫画を読んでいる。映画はすでに何回も見たものだけれど、やはり楽しい。漫画は一気に読みたくなるようなものはすでに読んでしまったので見たことがないものを片端から読んでいるけれど、なかなかこれはといった名作に出会えない。北斗の拳は男のバイブルだと以前言っていた旅人がいたがその通りだと思う。死ぬときは「我が生涯に一片の悔いなし」と叫んでやろうと心に決めて寝る。

 

 

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