スペイン語留学 19週目 見え隠れする思惑  レッスンはいつも通りです

フィリピンで聞いたのと同じことが起こっています。それは留学生にとっては迷惑な話ですがこれも一つの現実だということで書いてみようと思いました。これはあくまでも僕が感じたことです。本当の事実はどこにあるのかは彼らに直接聞いていないので(聞けるわけもないのですけど)不明です。僕はその良し悪しをとやかく言うことはありません。でもこうした思惑が留学生の勉強に悪影響を与えていることも事実なのです。

 
2回目の留学が始まり、僕は二人の先生にお願いすることにしました。それはフィリピン留学の経験から複数の先生にお願いするメリットを知っていたからです。一人の先生の説明で理解できなくても他の先生がそれをフォローしてくれることでより理解できることが多々ありました。僕は校長に2人の先生にお願いできるか聞きました。校長は少し驚いていましたが可能だと答えてくれたのです。何故彼が驚いたのか。それはこの辺りの学校のシステムがマンツーマンでのレッスンを一つのスタイルとしているからです。複数の先生に習うという発想自体がありませんでした。
校長の許可を得て僕はホセにそのことを相談します。ホセは受け入れてくれましたが同時に「二人の先生を選ぶのであれば止めはしないけど、ヒデキはおそらく混乱するだろう」と言いました。そして1週間試してみるといいよ。そのあとヒデキがどちらかの先生を選ぶか決めればいいと言いました。僕はそれを聞いた時ちょっと気に掛かりましたが、大丈夫僕は経験があるからと答えたのです。

 
ホセとのレッスン
結果から言うとホセとのレッスンではこの2ヶ月新しい文法はほとんどやりませんでした。最初のひと月は復習なのだろうと思っていたのですがホセは一向に新しい文法に進みません。絵本を持ってきて発音の練習が始まりました。確かにそれは役に立ちましたが僕がホセに求めていたのは文法を教えるスキルです。初心者にはとてもわかりやすいホセのレッスンは僕にとって大きな魅力だったのです。でも2ヶ月目に入っても一向に彼は新しい文法を教える気配もありませんでした。
彼は1ヶ月が過ぎた頃からしきりに俺のレッスンはどうだ?何か感じていることがあるかと聞くようになりだしました。マリアとのレッスンに問題はないかといったことを毎回のように聞くようになったのです。僕はこの頃からちょっと失敗したかなと感じ始めました。ホセはとても優秀な人物だと思っていた僕は彼のケアをすることを怠っていました。彼の中に芽生えた疑心暗鬼の心を察知することができませんでした。おそらく彼はマリアとのレッスンに満足している僕を見て、ちょっと自分がないがしろにされていると感じていたのではないかと思いました。それはマリアとホセとの関係にも微妙に現れています。

 

 

マリアを推薦してくれたのはホセでした。でもある日マリアからホセと喧嘩したとの話を聞きました。そしてその理由は僕に対するレッスンのことだったのです。マリアはなれないレッスンを僕のお願いでやってくれていましたが、ちょっと彼女も限界がきたようで、文法のレッスンを始めた頃だと思います。彼女は僕の文法的な問題に気がついていました。そしてホセに対してどう教えたのかを聞いたようです。そして僕に新しいことを教えないのは「ヒデキはまだ長くいるから今は教えないくていい、少しづつ教えていけばいい」と言っていたとマリアが言いました。この時僕はフィリピンで聞いた先生同士の縄張り、権力争いと同じようなことがあるかもしれないと思ったのです。お客さんが少ない今、彼らの心の中にある思惑が芽生えたのも無理はないでしょう。

 
マリア
彼女から聞く話はネガティブなことが多く含まれているので僕は話半分に聞いています。彼女の話はこうです。ホセはヒデキたち日本人はお金を持っているからずっと学校に通話せればいいんだ、だから今急いで教えてしまったら彼らは学校に来なくなる。でも私はそういうのは嫌いだからどんどん教えたほうがいいと思っている。私はヒデキが宿を始めれば時間がないことを知っている。だからこちらに戻ってきて先生が必要であれば私が家庭教師をしてあげてもいい。という感じです。ここでもマリアの思惑が見え隠れするのです。それはそうでしょう。少ない生徒を失ってしまっては彼らの生活は成り立たなくなってしまいます。自分の優秀さをアピールすることで自分の生徒を確保することが必要だからです。彼女は日本人に対するレッスンのうまさを熱弁します。僕は彼女の話を聞いてホセに対するイメージが変わったのも確かです。でもこうした話には小さな嘘が混ざっているのです。彼らは自分を正当化するための嘘を織り交ぜて話すことがあるからです。それはそれでいいのです彼らには彼らの思いがあるのですから。

 
生徒
僕にとって一番大事なのはスペイン語の知識の習得です。彼らの思惑などこちらにとっては関係ないことです。なるべく短期間に効率良くスペイン語を習得したいというのが僕の本音です。スペイン語の体系がどうなっているのかを知るのが第一の目的として文法が優れているこの学校を選んだのです。2回目にこの学校を再び選んだ理由はホセの文法を教える能力が必要だと考えたからです。しかし結果としてこの2ヶ月ホセから新しい文法を教わることはありませんでした。マリアが途中から変わって教えてくれるようになったのは偶然の結果でしかありません。今の状態ではこの学校に通う価値はマリアのレッスンしかないのです。
僕はある程度先生のマネジメントが必要なことを承知しています。会社でいえば部下に当たる若い人材に仕事を任せ失敗させながら育てていくのと同じことだからです。彼らの自信を壊さないようにそれでいてきちんと仕事が終わるように仕向けなくていけないのです。彼らも人の子、そして若さから来る自信過剰もあります。それをマネジメント仕切れなかったこともこうしたことを招いた一因でしょう。

 
校長
校長は僕がここに住むことをホセから聞いて知っているようです。彼は僕がやる宿から生徒を紹介してもらいたいと考えるのも当然です。この学校は日本人にも人気があり、それを広げることは彼にとっても利益につながるからです。先日マリアとホセを呼び僕のことを彼らに聞いたそうです。ヒデキのスペイン語はどうか、どこまで進んでいるのかと彼らに聞いたところ、ホセはすべて終わっています。会話を通してもっと話す練習をしていますと言ったそうです。マリアはなぜそんなことをいうのだとホセに聞いたところヒデキはまた帰ってきてからも学校が必要にさせておいたほうがいい。少しづつ教えればいいのだと言ったそうです。校長も僕には話があるから引き続きここにいてもらえるに越したことはないと考えているのです。

 

 
二人の先生と校長
ホセは学校のマネジメントに関わっています。彼も経営を考えなければならない立場です。少しでも優良な顧客を引き止めておくことは彼にとって大切な仕事です。先生達の振り分けも仕切っているホセはこの学校での実力者でもあるのです。先生達はホセの采配に多少なりとも不満を抱えています。なかなか仕事を回してもらえず対岸の村に教えに行っている若い先生を叱咤したこともありました。叱られた先生は仕事を回してもらえず家庭教師をし始めます。ホセは彼を学校から追い出してしまいました。こうしたことは男性の先生にありがちなことです。自分の実力がついて人気がではじめるとすべてを仕切り出してしまう問題はフリピンでもありました。学校の方針に従わず、自分のやり方を通そうとして失脚し、他の学校へ移って行った話はたくさん聞きました。しかし往往にしてそうした学校は生徒が激減するか、潰れていくのです。小さな村の中だけでの競争しか目に入らない彼らに僕は危機感を覚えます。せっかく文法という分野でとんがった性格を持つ学校であるにもかかわらず、それを出し惜しみするレッスンを提供するようではちょっとこの先、自信を持って他の人にオススメすることはできないのです。

 

 

ホセは初心者にとってとてもいい先生だと断言できます。理由は教え方のバリエーションが豊富なこと、生徒に理解させる術は群を抜いています。ですからホセのレッスンは初心者ほどオススメできるのです。でも長期となった場合経営に関与する彼についているとレッスン料の徴収元のように思われ必要以上にレッスンを引き延ばされる可能性が出てきます。また説明が丁寧な分、こちらが話す時間が非常に少なくなるのです。スペイン語会話ということで考えるとある程度知識がついてからは会話を取り入れることができる先生に変えることも視野に入れておかなければならないと思います。

 

 

マリアは会話と文法の両方を教えることができますが、彼女の説明はある程度会話ができるようになってからのほうがその効果を実感できるでしょう。彼女の文法はより実践的で会話を混ぜながらのレッスンです。ホセが小学校の先生だとすればマリアのレッスンは高校や大学もしくは予備校のような感じです。ある程度学力がある生徒が彼女のレッスンを受けることはとても有効だと思います。これまで知識としてしか知らなかったスペイン語を会話で使えるようにしてくれるからです。彼女とウマが合い彼女が本腰を入れてくれれば4時間のレッスンを受けたとしたらものすごく疲れてしまいそうです。内容の濃いレッスンを希望する方であれば彼女はいいでしょう。ただし若さゆえ、話題の豊かさ言葉に関する雑学的な知識に少しかけています。なぜなにを知りたい人にとっては少し物足りなく感じてしまうかもしれません。

 

学校経営にかかわる校長は物静かなとても感じのいい人です。先生を育てるという理念を持っていましたが、ある程度知識を得た新人の先生が他の学校へと移ってしまうので、今は経験者しか取らなくなってしまったと言います。先生間のマネジメントをうまくすればもっといい学校になるのにと思うのですが、癖の強い先生のたづなを取るのはちょっと難しいのかもしれません。僕が宿をやることになったので彼と話すことは僕にとってもお客さんにいい先生を紹介できるチャンスです。日本人が求めるクオリティをわかってもらえたら絶対に人気になるだろうと思うのです。
僕のレッスンもあと2日。校長には最初に話してあるから彼は承知しているはずなのに彼はホセにまだ話していないようです。

 
今日もホセは僕にお前のスペイン語はどうだ?ヒデキはすでに話し出しているから大丈夫。あとの文法はほんの少しだから心配しなくていい。でもじっくりと時間をかけて続けることが大切なんだと言い続けます。僕は「僕には時間はないよ。僕に必要なのは知識なんだ。それは話すこととは違うスキルであってすぐにでも手に入れたいものなんだ。会話は会話で別の話。話すためには練習が必要だけどそれはマヤブじゃないんだ。だってここでの会話は文法やレッスンに関することばかりだろ、もっと僕には必要な会話があるんだよ。僕は今、こちらに帰ってからの家庭教師も含めて探しているんだ。おそらく僕は学校に通う時間はないからね。」と言いました。ホセは「校長はヒデキがまだ続けてくれると思っているし、ヒデキはまだスペイン語を全部知っていないだろ、帰ってきてからだって時間はあるさ。僕らはいつでも君を助けてあげられるから大丈夫」と言っています。僕はやっぱり文法はまだまだあるのだと言ってしまうホセがちょっと可愛らしく思えました。そして「僕はこれまで文法はホセにしか習ってこなかったけど最近は日本語で書かれたスペイン語の本を読みだしたんだ。よく聞く話し方を僕は知らないからね、でも本でもなんとかなると思っているよ。僕は勉強が好きなんだ」というとホセは困った顔になってしまいました。僕は「さぁレッスンを始めよう。今日はベット周りの名詞と生活にかかわる言葉を聞きたいんだ」と言ってノートに絵を描きホセに名前を聞く作業を繰り返しました。

 

 

今日の一言

ちょっと残念な話になりましたが、長期の留学を考えている方へのインフォメーションとして書いてみようと思いました。僕が思うには比較的都市部に近く、大学が周辺にある場所が留学には向いているのではないかと思います。先生のレベル、経験、学校のマネジメントがしっかりしている学校はこうした場所にあるのが常です。留学が人気になってくればもう少し違う地域に学習環境が整った学校が現れるでしょうがそれはまだ先のことでしょう。需要を考えて、カリキュラムを作ればチャンスはあるはずなのにと思うのです。

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