土日通信 僕の大切なSucely 恋話ではありませんよ

image彼女に初めて会ったのは前回サンペドロについてから3日ほど経ったひの夕方です。ホームステイ先の軒先に座り、スペイン語の勉強をしている時でした。彼女は臆することなく僕に話しかけてきました。僕は彼女の言っていることがほとんどわからず、自分の名前と日本人であることを告げただけです。彼女は僕の隣に座り、いろいろなことを話しかけてきます。もちろん僕はわからないのですが、一向に御構い無しの様子、僕は随分こっちの子はものおじしないのだなぁと思っていました。突然彼女はスクッと立ち上がり自分の家に入って行きました。しばらくすると彼女は本を手に戻ってきました。辞書でした。彼女は僕が辞書を持っていないと思ったらしく自分の辞書を貸してくれたのです。辞書を開き片っ端からいろいろな言葉を教えてくれます。僕は「ありがとう辞書は持っているんだ」と言って持っているiPhoneに入れてあるアプリを見せました。すると彼女はこの携帯はなんだと聞きます。僕のiPhoneにはカバーがしてありちょっと見ではわからないようにしてあるのです。りんごのマークを見せると彼女は驚いたようにこのiPhoneは大きい、初めて見た6かと聞いてきます。僕はそうだというと彼女は触ってもいいかと言います。僕はいいよと言って彼女にiPhoneを渡しました。

 

これがきっかけで僕が軒先にいるとどうやって知るのかひょっこり現れてiPhoneを見せてくれと言います。あっという間に使いこなす彼女、勝手にどんどんと見られるので、ちょっとヒヤヒヤですが悪さをするつもりは全くないようです。彼女はスペイン語を教えてくれます。口の形が見えるように発音して何度でも同じことを教えてくれるのです。彼女は兄弟も多くあっという間に彼らとも仲良くなりました。
ちょっと意地悪するとプーと膨れて怒っている姿はとても可愛らしくまるで自分の娘のようです。お年頃なので手は焼けますが毎日のようにやってくる彼女、目的はやはりiPhoneです。彼女からしてみたらとても高価で憧れの携帯です。いくらだ?どこで買った?と聞いてきます。ボニート、ボニートと見飽きることがないようです。携帯は持っているのか聞くと持っていない、お父さんがダメだって言うから、でも友達は持っていると言ってちょっと寂しそうな顔を見せます。
ホテルに移ってからも彼女はちょくちょく遊びにきます。でも一人ではちょっと怖いのでしょう。いつも友達を探して一緒にくるのです。目的はやっぱりiPhoneそして僕が持っている自撮り棒に気がついてからは毎日のようにやってきては自撮りしまくりです。いったい何枚撮るのだと思うほど撮りまくっています。僕は黙って友達と一緒に大騒ぎをしながらはしゃぐ彼女を見ているのが好きです。彼女は言います「ヒデキはこうして遊んでいても何も言わないから、他の人はすぐにあーもうダメダメと言ってすぐに取り上げるの。でもヒデキはそうしない。ありがとう」
imageこの村でiPhoneを持てる子はほぼいません。大人でも少ないのです。彼女からしたらiPhoneで自撮りした写真をFBにアップできるのはとっても嬉しいことのようです。なんでもかんでも片端から上げてしまうので僕のところへはしょっちゅう友達申請がきてしまいます。ちょっと困りもするのですが彼女がどれほど喜んでいるのかがわかるだけにむげにもできないのです。
普段はグイピルと言う民族衣装を着ている彼女が珍しくサッカーのユニフォームを着て遊びにきました。練習中に転んだようで膝が痛いと言っています。持っている湿布を貼ってあげると楽になったありがとときちんとお礼を言うのです。足元を見るとコンバースを履いています。いい靴を持っているねと言うと「これは偽物、それにこんなに穴があいちゃってるし」と言って笑っています。両足とも靴の先や側が切れて破けてしまっています。穴から覗く足を突くと笑っています。彼女にサッカーシューズは使わないのと聞くと「ううん、これでいいの」と言います。続けて彼女は「でもいつかアディダスのスニーカーが欲しいの、真っ白な奴がいいわ、だってすごくかわいいんだもん」そして「でもここではダメ、全部偽物なんだから」そう言うと彼女はiPhoneで検索して画像を僕に見せ「ね、とってもかわいいでしょ、かわいいなぁ」と夢見る少女の顔になりました。

 
僕は彼女らがくるとお菓子やジュースを買いに一緒に行きます。あらかじめ20ケツアレス渡すと全部きれいに使っています。計算早いなぁいつもは指を折っているのになんでと思っていると予算をオーバーしています。すると彼女らは一丸となってお店のおばさんと交渉しだすのです。「マケテくださいな」「なんで〜」「ちょっとだけ」と口をトンガラがして「もしこれが買えないと3人平等にならない、だから負けてくれ」と懸命に頼みこんでいます。おばさんの口がへの字に曲がって仕方ないわぇ〜と言う顔になりつっけんどんにほら行きなさいとしっしっと手を振っています。普段はおとなしいSucelyもこの時ばかりは友達のために頑張ります。いつもになく激しい口調で懸命に交渉するSucely。その姿から僕の前では懸命に自分をおさえているのだんなぁと感じました。彼女は絶対に欲しいとか買ってとか言わないのです。他の子はすぐに言うのに我慢しているのでしょう。

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ある時、僕がFBでカフェでのフレンチトーストの写真をアップしました。珍しく彼女が連れて行けと書き込みをしたので明日行こうと誘ってあげました。カフェで待ち合わせをしていましたが彼女は来ませんでした。いえ違います。彼女は来ていたのです。でも店の敷居が高すぎで店の前で逡巡してしまったのです。このカフェは外国人しかいません。料金が高いからです。1杯10ケツアルのコーヒーなんて彼らにしてみたらバカ高いどころではないのです。15ケツアルも出せば500g近いコーヒー豆が買えるのです。そしてそんな外人ばかりのカフェに彼女が入れるはずもありません。彼女は店の前まで来て中に入れず引き返していたのです。その夜Sucelyから謝りのメールを貰った時、そのことを知りました。僕は自分の気の利かなさを悔やみました。後日、道でばったり会った僕ら、ちょうどいいことに彼女の友達も一緒でした。これなら彼女らも安心してついて来れるだろうと思いカフェに招待しました。緊張してチョコンと座っている彼女たち、フレンチートーストが運ばれてくるとちょっと戸惑っています。シロップの使い方がわからないようです。僕がかけてあげると二人はすぐに猛烈な勢いで食べ出します。皿に残ったシロップをなめてしまうのではないかしらと心配になってしまうほどです。お腹一杯になって「アフーッ」と言いながらグイピルの帯を緩めている姿はもちろん口の周りをペロリとなめる仕草は昔、子供を連れて行ったファミレスでの光景を思い出させてくれました。

 

この村で最初の友達Sucelyは僕にとって特別な存在です。とても賢く活発で明るい女の子。彼女が来てくれると僕の心がとても華やぐのです。まるで自分の娘ができたようなそんな感じ。日本で言えばちょうど高校生ぐらいの年頃です。お父さんは煙たがられちょっと寂しくなる時期でもあるでしょう。そんな年頃の娘がやってきては素直にきゃっきゃっとはしゃぐ姿を見ていると、もし僕が彼女のお父さんで彼女をお嫁にくださいと彼氏がやってきたら僕は猛反対しそうだなと苦笑いしてしまいました。

 
kamomosiプロジェクトへ向けて

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今、僕の周辺は目まぐるしく動き出しました。ベルト作り、そして古い刺繍の布を買い集めてキルトのようなテーブルクロスやカバンなどを作る針子さん探し、買い付けの仕方や、販路などやらなければならないことがたくさんで初めています。アシスタントに地元の人を頼み、様々な交渉を初めています。いずれも雲をつかむようなことばかりですが、少しづつ始まっています。もしかするとしばらくの間ここに腰を落ち着けて取り組まなければならなかもしれないと感じ始めています。ここまで旅をしてきていつかはそんなことをする時も来るかもしれないと感じてはいたのです。先のことはわかりませんが成り行きに身を任せてみるのもいいのかもしれないと思っています。

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