土日通信 アウトブレイク ベクター伝播疾病について考える ちょっと怖いかも

IMG_9571WHOの報告を読むとベクター伝播疾病(生物媒介の疾病)はすべての感染症の17%以上を占めており、年間で100万人以上がこの疾病により亡くなっていると書かれています。デング熱は100以上の国で25億人以上が感染の危機にさらされています。マラリアにより、全世界で年間60万人以上が命を失い、そのほとんどが5歳未満の子どもです。そしてジカ熱。ブラジルの政府は、流行が始まって以来、ジカウイルスの感染者数は497,593人から1,482,593人に上ると推定しています。小頭症やギランバレー症候群を引き起こすためオリンピックを前に大きな問題となりました。シャーガス病やリーシュマニア症、住血吸虫症などその他の生物媒介の疾病に、世界中でさらに何億人もの人々が罹患しています。

今日のお題「ベクター伝播疾病」とは虫により伝播するヒトとヒト、あるいは動物とヒトへの感染症をいいます。多くは吸血を行う虫で、感染した宿主から吸血する際に疾病の原因となる微生物を体内に取り込み、次の個体から吸血する際にその微生物を注入することで、新しい宿主が生まれます。その中で蚊は最も良く知られているベクターです。他に、ダニ、ハエ、サシチョウバエ、ノミ、サシガメ、淡水性巻貝などがあります。

96958A88889DEBE4EAE4E1E1EAE2E2E1E2E0E0E2E3E4E2E2E2E2E2E2-DSXMZO8992920030072015000002-PN1-14これらの疾病の多くは、「確かな情報に基づいた予防措置により予防が可能」と言われていますが果たしてどうなのでしょう。今日はそれについて考えてみようと思いました。
少し前、グアテマラの新聞にマラリアが大発生していると記事がありました。一部地域での発生を取り上げた記事でしたが人々の関心はかなり薄く、”ここにはない”だから安心といった雰囲気があります。デングが日本で発生した時、代々木公園は閉鎖されそこにいる蚊をすべて退治するために殺虫剤を撒きまくりました。そしてそれは蚊に効くけれど他の生き物の被害は最小限になるような効能を持っているとのことでした。僕は日本はあらゆる意味で凄い国だなぁと感じたのです。
一方で台湾、フィリピンでは毎年のように流行し、感染者もかなりの数に上ります。でも現地に行くとやはり”ここにはない””前にあったけど今ない””◯◯ではあるけれど”といったコメントを聞くのです。そしてここでも。ついにジカ熱に罹った人が出ました。メキシコに行った際に罹ったとのことですが詳細は分かりません。村の人も危険な病気であることは認識していますがまだどこか遠い場所で起きている程度の認識です。日本のように大騒ぎをするのはジカ熱で話題のブラジルのようにとんでもない数の感染者が出た時に限られるのです。この両者の違いはなんなんだろうと考えてしまいます。
hitosujisimaka蚊が媒体となって感染が広がるこれらの病気、予防法は蚊に刺されないようにすること以外ありません。予防注射はありません。マラリアには予防薬がありますが高価でありながら副作用もあり一般的ではないようです。この蚊に刺されないようにするというのが難しいのです。気がつかないうちに腕や足、首筋や耳たぶに止まりそっと血を吸う憎っくきこの虫。あっと思った時にはもう遅いのです。ぷっくりふくれた皮膚は猛烈な痒みを感じ始めます。一説によると腕にとまった蚊を叩いてしまった場合、叩き潰した際にポンプ効果で毒がさらに体内に入ってしまい、痒み倍増との説があります。ということは熱病の病原体も倍増ということになり、手に止まった蚊を潰すことは積極的に感染を助けてしまっていることになってしまうのかと思うと、あとは運に任せるしかありません。それでもなんとかしたいと思うのが人情です。僕は日本で準備しました。
虫除けは海外でも売っていて、日本のものがいい、いや海外のそれも現地で売っているものが一番、蚊取り線香は日本製じゃないとダメなどなど諸説入り乱れています。僕は日本から持ってきた虫除けと海外で買ったものを使い比べて現在は日本製に落ち着きました。池田模範堂の「ムヒ虫よけ虫ペールα」が今のところ最強ではないかと思っています。そして蚊取り線香の代わりに使うのはアース製薬の「ワンプッシュ式蚊とりチュゥとおすだけノーマット」。これは東南アジア諸国そして今回の旅、アラスカからこれまでの間、なかなか良い効果を発揮してくれています。
まずはムヒ。プッシュ式の液体がボトルに入ったタイプで吹き付けて体に塗り伸ばすタイプです。これを塗った直後は蚊がまとわりついていても絶対に刺されないのです。匂いやベタつきは許容できて汗をかいたり水に濡れたりしなければ半日はその効果が持続します。アメリカ軍がベトナム戦争当時から使っているジャングルジュースと言われる虫よけも試しました。確かに強力ではありますがアラスカでは成分にクマを引き寄せる匂いが含まれていると何かで読んで使用を控えました。また天然素材のハーブなどを使った虫よけも使いましたが効果はイマイチ。価格もそれなりにするし費用対効果の面でも常用するのは考えさせられます。人体にも優しく効果もあるとなると日本の製薬会社が作っているものの方が相対的な効果は上だと感じます。自分の周りでワンワンと唸る蚊、それでも近寄ってこれない蚊を見ると日本のものは優れているなと思うのです。

 

蚊取り線香に代表される蚊よけ、こちらも「おすだけノーマット」に軍配が上がります。夏のアラスカはとんでもない数の蚊が大発生します。人が立っているだけで蚊柱が立つほどの蚊の大群。それがキャンプの時テントを張ると大挙して襲来します。テントの中にも容赦無く入ってくる蚊。そのままではとても寝れたものではありません。テントを張ったあと、このスプレーをテントの中にしておけば寝る時にはすべて玉砕、安心して眠れます。毎日プシュとひと吹きしているうちにテントの生地に浸透するのか蚊が近寄ってこなくなります。またテントの中に入った蚊もあっという間に死んでしまいます。ちょっと怖いなぁと思うほどの効果です。こんな高性能で一応害はないと言われる忌避剤はないだろうと思うのです。カンクンでメキシコ製の蚊とり線香を焚いていても煙の中をかいくぐって足に止まる蚊、効果のほどはあまり高くありません。やっぱり日本製はすごいんです。それでも蚊には刺されてしまいます。防ぎようがないのです。

 

世界は3000を超える種の蚊がいて数百種が吸血するようです。これらの種を撲滅すれば良いという研究者や蚊を撲滅しても環境への影響は少ないという報告もあり、期待したいところですが思うようになるとも思えません。今より少し良い結果を招くか悪い結果を招くかは誰にもわからないからです。こうしたことをやって良い結果を招いたためしはないからです。

 

グアテマラの小さな村では夜な夜な教会に大勢の人が集まります。ダンス会場にはごった返す人が汗をかいて踊っています。南米から上がってきた旅行者も一緒に楽しんでいます。ふと見ると僕の足元に小さな蚊、風呂上り夕涼みを兼ねてふらりと出てきたので虫よけは塗っていません。隣のおばさんが蚊をパチンと叩いて「アディオス」と一言。「モスキート〜」とにっこり笑っている現地の人を見てまるで映画のワンシーンを見ているような気になりました。

翌日、窓から見える村、いつもと変わらないのどかな風景。湖畔のホテルの1室で関節痛を感じ、発熱する外国人旅行者。彼は10日ほど前にここへ着きました。昨夜はダンス会場で地元の人たちと楽しそうに踊っていたのに。部屋の開けられた窓から出て行く1匹の蚊。パンパンに膨れたお腹が日に照らされると真っ赤に透き通って見えました。ね、アッと言う間にでも静かに広がっていくのです。そうそうあなたの風邪、具合はいかがですか?その風邪ただの夏風邪なんでしょうかね。ここは地球の裏側です。でももう世界はつながってしまったんですよほらね。

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今日の一言

怖がらせてしまいましたか?これから夏休みシーズン多くの日本人が海外旅行に出かけます。良い旅行になりますように。でも出かける前にちょっとだけ情報を知っておくと良いですね。虫よけを忘れずに。

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