僕は心の傷がなんであるかわからない 釣りの話です

DCIM101GOPRO

なにを思う

開高健は「釣り師は心に傷があるから釣りにでかける。しかし彼は、その傷が何であるかわからない」と言いました。また「こうやって投げちゃ引き、投げちゃ引きしていますと、心の中に様々なことが明滅出没して、流れていきます。おそらく私にもなかなか癒やすことのできない傷がどこかにあって、傷口をふさぎたくなって出てきている。心の傷がよぶんですね」と続けました。

 

癒しようのない傷を心に持っているかは僕にもわかりません。でも確かに釣に出かけるとモヤモヤしたことがすぅとなくなっていくのを感じるのです。水の音、リールがあげる悲鳴、糸から伝わる生命感、ずっしりと来る重さがザラリとした気持ちを撫でてくれるのです。魚が掛かったその刹那、僕の周りからすべての音が消え去って、それまで悩んでいたこと、釣れる前の苛立ちが胡散霧消して無だけが存在するような錯覚を起こすのです。

 

DCIM101GOPRO

出港です

サトコさんが釣に誘ってくれました。ボート釣りはあまりしないのですが、久しぶりの釣りに僕は即答でお願いしました。今日のブログはサトコさんに撮っていただいた写真をメインに書いていきます。サトコさんの写真の視点は何を見ていたのかよくわかり、しかも綺麗なんです。見ていて男性には撮れない写真だなぁといつも思います。そんな素敵な写真をどうぞ。

 

 

DCIM101GOPRO

同行者はたかし君、ボート貸切です。

ロシア人の船長とメキシコ人のキャプテンの操縦でカンクン沖に出港です。波もなく快晴です。

IMG_5668 IMG_5665 IMG_5664 IMG_5662

今日は小さいな方のボート、それでも道具立ては本気です。

IMG_5669 IMG_5672 IMG_5675

ロシア人の船長が全部準備をしてくれます。まさに大名釣り。トローリングの開始です。

タコベイトと呼ばれるルアーにサヨリ(サンマみたいな魚)をくくりつけて30mほどボートから話して引っ張ります。ボートが出す泡の中を小魚が逃げ惑うように見せかけて大きな回遊魚を誘います。マーリンやマヒマヒと呼ばれるシイラ、カツオ、マグロなどを狙います。

冷えたビールを飲みながらキャプテンに魚が食いついてくれるまではのんびりと待ちます。

IMG_5677 IMG_5684 IMG_5681

ウミガメがたまに海面に顔を出しています。亀は何を食べるのかと船長に聞くと海藻とエビだと言っていました。僕は亀が食べたいと言うと彼もニヤリと笑っています。亀は保護されているので食べることはできませんが、実はとっても美味しいのです。

来ました。カツオです。これで今晩のおかずは手に入れました。

DCIM101GOPRO

DCIM101GOPRO

DCIM101GOPRO

DCIM101GOPRO

DCIM101GOPRO

DCIM101GOPRO

IMG_5688

たかし君もすぐに。釣った魚の血抜きをします。それを見ていた船長は血がドバドバ出ているのを見てドン引きです。何せ生きているカツオのエラに続く血管をきって逆立ちさせるように海水を入れたバケツに入れるとビビビビビーっと暴れてカツオは自分で全部血を外に出してしまうからです。見る見る血に染まるバケツの水は外人にはちょっとショッキングな光景なのかも。

彼らは船の魚入れに無造作に放り込んでしまいますが、カツオやサバは足が速いのと、生臭さがあるので血を抜いておいた方が鮮度が断然違います。それに水から上げられてジワリと窒息していくよりあっと言う間に息の根を止めてあげる方がいいと思うのです。

IMG_5680 IMG_5689 IMG_5690 IMG_5703

釣れない時はこんな感じ、この解放感がたまりません。ゆらゆらと揺られる感じやチャプチャプと聞こえる波の音、しぶきが火照った身体を冷やし、足裏を撫でる風が猫の舌のように僕を撫でてくれます。泥沼に引き込んでくれます。至極の時間です。

IMG_5674

たまにはボートの操縦も。後ろで二人は絡まった糸をほどいてくれています。

IMG_5691 IMG_5693 IMG_5694

トローリングの次は根魚を狙います。水深35〜50mほどの場所で糸を垂らします。無骨な仕掛けはブラックバスで言う常吉リグです。イカを餌にしてヒラヒラとさせて大物を狙います。

IMG_5698 IMG_5701 IMG_5702

すぐに来ましたハタです。大きさも食べごろサイズ。今夜のご馳走は決定です。

カンクンでは鮮魚を手に入れることが難しく、刺身なんて無理だと思っていましたが、どうしてどうしてこんな立派なのがあっけなく釣れるんです。

IMG_5708 IMG_5710 IMG_5717 IMG_5722 IMG_5721 IMG_5720 IMG_5719

釣りを終えて意気揚々と帰港です。早速釣った魚を港でさばいてしまいます。腹を出して頭を落とします。ハタは尾頭付きのままです。

楽しい時はあっという間に過ぎさって行きました。円は閉じました。釣り人はまた少し生きながらえることができました。でも傷が癒えることはないのです。それがなんであるかを知ることはできないのです。きっと僕はまた釣に出かけるでしょう。

Pocket
LINEで送る

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です