路上販売に挑戦!いいとか悪いとかじゃなくてやってみることが大切

路上に出てビスケットを売ることに挑戦しました。たった1日の挑戦でしたがたくさんのことを学びました。今はまだ何が起きたのか整理することができていませんが、種は蒔かれました。どんな花が咲くのか。実がなるのか。わかりません。でも種は芽を出すでしょう。

IK3A9392「ヒデキさんやってみますか、教えてあげますわ」と関西弁で後押ししてくれたのは日本人宿カサカサのタケシさん。彼の仲間は前向きな生き方をしている人たちが多く、この宿に泊まるといつも僕の中で何かが芽生えるのです。僕は即答でやりますと答えました。わからないことをアレコレと考えてみても何も始まらないのです。何か問題があればその時に考える。失敗を恐れていたら物事何も進みません。

 

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丁寧に説明してくれます

まずはタケシさんから一連の流れを説明してもらいます。「安く仕入れ、簡単に作り、売りに出る」当たり前のことばかり、一つも難しいことはないのです。シンプルな商いで基本を知る。でも僕には経験がないのです。知らないことをするとき不安と恐れを生み出すのです。

 

 

IK3A9734なぜあんこサンドを売ろうと思ったのか?
売るものはなんでも良かったんです。よく旅先で見かける路上販売の地元の人やアクセサリーを売っている旅人の目線を手に入れたかったのが1番の理由です。2番目はkamomosiの企画に役立つと考えました。シンプルな商いでお金を稼ぐ経験をしておけば話の説得力が生まれると思ったからです。3番目に路上販売そのものに興味がありました。

 

 

仕入れは簡単でも
材料は近所の商店へ小豆の代わりに使うフリホーレス、砂糖、安いクッキーのみです。全部で80ペソかかりました。買い物からつまづきます。買ってこいと言われたクッキーを間違えて買ってしまいもう一度商店へ行って取り替えてもらいます。まさに前途多難を暗示しているようです。

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近くの商店へ

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小豆、砂糖、クッキー

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間違っていることに気がつかず

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タケシさんに指摘され

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買い直しです。交換してくれました

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

仕込みはバッチリ
宿に戻り早速仕込みです。フリホーレスを茹でてアンコを作ります。これはうまくいきました。料理はできるので味付け、固さは丁度良い仕上がりになりました。翌朝、クッキーにアンコを挟んでいきます。アンコが多すぎてはみ出したり、均一にできなかったりと最初は苦労しましたが、さすがに10袋分もやると次第に慣れてくるものです。

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マメに混ざったゴミを取り

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丁寧に洗います

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茹でて

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アンコになりました

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一つ一つ挟んで

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

路上販売で大切なこと

タケシさんからのアドバイスは清潔感

  • 清潔感
  • 笑顔
  • 大きな声
  • 自分自身が楽しまなくては物は売れない

非常にシンプル誰にでもわかることです。

清潔感のある服に着替え僕は事前に3つの言葉だけを準備しました。

  • Galleta japonesa(日本クッキー)
  • Puedes probar(試食できます)
  • dos por cinco(2個5ペソです)

すごくシンプルでスペイン語ができなくても言える言葉だけです。今回は商売の基本を覚えることなので、アレコレと言わずシンプルに商品名、値段を前面に出してみることにしました。アンコの味がわからないと思ったので、試食を用意しました。外国では路上などで配られるものに口をつけないのが常識、そこは言わないとダメだと考えたのです。

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覚悟はできています

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ソカロ、ホコ天に向かって

 

 

 

 

 

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甘くはないのですわかってはいるんです

販売開始でも

わかってはいたけれど販売は辛いもの

まったく売れません

歩きながらでは売れないかと思い立ち止まって販売

 

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最初のお客さん

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8個も買ってくれました

1時間ほどして

売れました

この時感じたことはちょっと形容しがたい嬉しさです

 

売れたと思ったらすぐに警察や見回りがやってきて歩いて売れと注意されてしまいます

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2個で5ペソ高いのかな

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なかなかうまい場所が

ちょこちょこ移動しますがなかなか売れません

それでもポツリポツリと売れます

 

 

試食を用意しますが誰も食べてくれません

歩きながらでは手がふさがってしまい配ることもできません

タケシさんに言われたようにどんどん売れると思っていた僕。しかし現実は厳しいものでした。セマナサンタで出店が並び競争率が上がってしまったのか。それとも時間帯が悪いのかなどと考えながらあちらこちらで声を出しますがパッとしません。だんだんと疑心暗鬼になり出しました。元気よくと思っていますがどこかで照れやクッキーに対する不信が芽生え出します。道行く子供があれはあのクッキーだよと話しているのが聞こえてきます。きっとバレているんだ。だからみんなが買ってくれないんのだとネガティブなことが頭をよぎります。

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気持ちが奮い立ちません

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カメラマンに見るに堪えなかったようです

腕が重さでプルプルしています

 

 

 

 

昼ごはんを食べ売りに出ますが気持ちが折れてしまいます。厳しいとは思っていましたがどうすることもできません。あとでモッくんから悲壮感が漂っていました。声のかけようもなかったですよと聞かされてもっともだと思いました。インディヘナの子に試食してもらってどう感じるのか聞いてみました。美味しいと言ってもらっても僕は素直に喜ぶことができない状態でした。

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まったく売れません

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天を仰ぎました

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自信喪失がっかりです

 

 

 

 

 

宿に引き返すことにしました

ここまで売れたのはたったの12枚でした。30ペソだけです。仕入れ値にもなりませんでした。

 

 

宿への帰り道、やっぱり現実はキビシイなぁ。それでもいい経験になったのかもしれないと思う一方。こんなんじゃダメだ。ちゃんと物を売ることをしていない。これでは文化祭の出し物以下だと悔しさがつのります。でもどうすれば売れるのかわからずじまいです。僕は何を売っているのかわかっていませんでした。

 

 

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重たい雰囲気充満

タケシさんが午後にもう一度行きますか?と聞いてきます。かなり凹んでいましたがこのままでは何も得るものがありません。嫌だけれども行かなくてはと思いながらちょっと一休みのつもりが、疲れてしまい眠り込んでしまいました。
IK3A9504起きるとアキラさんが一緒に売りに行きたいと言ってくれました

 

 

 

 

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苦笑いしか出ません。これから巻き返せるのか?

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アキラさんすごい怪しさです

アキラさんはスペイン語がまったくダメです。「おーおー」「いらっしゃい」と不気味な声を上げながら周りがドンびくような客引きをしています。目立ち度で言えばソカロで1番です。

 

 

 

IK3A9526 IK3A9687こんなんで売れるのかしらと不安になります。でも少しづつお客さんが寄ってきます。こんな怪しい二人のおっさんに興味を持ってくれているようです

 

 

 

IK3A9582アキラさんの威力炸裂

少しずつ売れていきます

IK3A9813 IK3A9818 IK3A9628 IK3A9601 IK3A9657地元の物売りたちも声をかけてくれます

午前中とはまったく違うこの光景に僕は驚きました。人が何に反応して買ってくるのかまったくわからないままカゴの中のビスケットは減っていきます。明らかにこれはアキラさんの効果です。

嬉しいことに4回も買い直してくれた女の子がいました。彼女はとても美味しいと言ってくれたのです。それは日本で仕事をしていて大きなプロジェクトを成功させた経験にも勝る喜びでした。

夕闇が近ずく頃、ぱったり売れなくなりました。僕は潮時だと感じました。アキラさんに終わりにしましょうと声をかけました。アキラさんはタバコを買うから先に帰ると言いました。

完売はできませんでした。それは少し残念でもありました。だってこれまでクッキーを売った人はみんな完売だったからです。僕は力不足を感じました。

残ったクッキーをインディヘナの子供達に分けてあげます。あっという間になくなってしまいました。味は間違いなかったのです。それではなぜ売れなかったのか、それは僕に原因がありました。それは明らかなのに僕にはそれがうまく理解できないままなのです。

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いろいろな気持ちがありました
商売を始めることのうれしさ
切れそうになる気持ち
売れそうなのに売れない時の気持ち
なにを売っているのかわからなくなる気持ち
取引の時、言葉や気持ちは万国共通
買う人の気持ち
売れたときの気持ち

たった1日で僕は色々な気持ちを経験することができました。宿にかえってお金を数えると170ペソありました。仕入れを引けば90ペソの儲けです。それは予想外の多さであり嬉しさがこみ上げました。商売としては失敗でも海外で稼いだ初めてのお金。それはこれまで稼いだお金の中で一番苦い経験から生み出された物でした。と同時にとても大切なことを教えてくれたものでもありました。

僕は海外で1日に稼げるお金は3食の食事代と宿代ほどではないかと考えていました。メキシコであれば200ペソほどです。この金額が地元で同じような商売をしているインディヘナの人々に取ってどれだけの金額になるのかはわかりません。でもとても大きな収入だというとはよくわかりました。彼らの売り上げもそう大差ないないと感じたのです。1日の暮らしに必要な金額を稼ぐ暮らし。もう少しだけ稼ぐことができれば未来が見えてくるのにと実感として初めて感じることができた瞬間でした。

次の日の夕方、僕はソカロへ出かけ、ぼんやりと物売りの人達を眺めていました。昨日と何も変わらない光景が広がっていました。でも僕にはまったく違った景色に見えました。あの体験を整理できないまま暗くなるまでいろんなことを考えていました。そこへ昨日の少年がひょっこり現れて今日はやらないのと言いました。その目は僕を見透かすかのようなとても綺麗な目をしていました。僕は今日はどおだった?と聞きました。彼の手には昨日と同じ紐飾りが束ねられています。きっとそんなに売れてるとは思えません。彼はまぁまぁさと答えて雑踏へと消えて行きました。彼の後ろ姿はとても凛々しくて力強さがありました。きっと彼は明日も明後日も同じように過ごしていくのでしょう。

この歳で挑戦した路上販売。単純な売り上げだけを見れば、結果は90ペソの黒字。でもガス代、人件費などを考慮すれば成り立つことのない商いでした。僕は何を売ろうとしていたのでしょう。日本というブランド、日本人に対する信頼、ほとんどの人が知らない異国の味、パフォーマンス、単なる物珍しさ、クッキー。僕は理解しないまま商売をしてしまったのです。今回の商売のノウハウは非常に単純なものだったのにもっとも大切なものが足りていなかったと感じています。

それがなんだったのかぼんやりとはわかっているのです。それは僕が好きかどうかだと思うのです。クッキーはもちろん、商売そのもの、仕事に対する気持ち、楽しむ気持ち。「好き」は人に伝わるということ。何を売るにしてもそれはとても大切なことだと思うのです。今わかっているのはこの経験が間違いなく今後の僕にとって大切なものになったことだけです。

 

最後に、この記事を書くにあたってノウハウを教えてくれたタケシさん、素敵な写真を撮ってくれカメラマンのモッくん、呼び込みをしてくれたアキラさん、そして応援してくれた宿の皆さんに心から感謝いたします。ありがとう。

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路上販売に挑戦!いいとか悪いとかじゃなくてやってみることが大切」への2件のフィードバック

  1. あおき

    新しい事に挑戦していく姿素敵です。
    結果どーあれ、その一歩いくかどーかですね!

    返信
    1. HIDEKI 投稿作成者

      素敵かどうかは別にしても、それが一番の近道ですからね。最近は最初からうまくいくことなどなくなってしまいましたが、それがまた楽しさであることを知りました。結果はおそらくずっと後に出るのだと思います。自分の成長や成功はなかなか見ないものですが意外と人は見ているものなんです。
      今回の記事、自分ではわからない自分の表情を客観的に見ることが出来ました。全くこっぱずかしいものです。でもあおきさんにそう言ってもらえてとても嬉しく思います。ありがとう

      返信

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