久しぶりの更新になりました。久しぶりのロングドライブは楽しくもあり、新鮮な気持ちが蘇ってきました。旅というスタイルに戻って見聞きし、感じたことをまとめて書いておきます。
移動1日目
朝、出発の準備をしているとみんなが総出で見送りに出てくる。久しぶりの大荷物に汗だくとなる。バイクをバックで出さなければならず苦労しているところにたかし君が現れ助けてくれた。準備を終えて出発。パンアメリカンに向かう山道を行く。前に車がいるので途中でつかえると嫌だと思い、ゆっくりと上がっていく。最後の最後にある難所。案の定車はノロノロとしていてつかえてしまった。凸凹に掘れた場所で止まってしまう。出るのに苦労しているとエンストしてしまい危うく転倒するところ。ブレーキをかけていてもズルズルと下がっていく。あとから来たバイクも止まってしまい。逃げ場なく転んでしまう。そのあとから来たツレがバイクを起こすの手伝っているうちにツレのバイクも転がってしまった。
ハイウエイは快適。途中途中にある小さな村を横目で見やりながら快調に進む。途中から道が変わり山がちとなる。寒くはないが標高が高いので袖口から入る風が気になり走りながら止め直した。こうしたちょっとしたことにも気を使う。しばらく乗っていないので慎重に慎重に。バイクのチェーンが伸びていてガチャガチャと嫌な音を出す。メキシコでミラーと一緒に交換しなければ。
150キロほど走って食堂に入る。ペプシ、魚のフライを頼む。久しぶりの魚に期待したがそうでもなかった。それでもスペイン語は十分に通じ、スムーズに食べ終えることができた。それだけで嬉しい。
しばらく走るとウエウエテナンゴの町へ。マクドナルドの看板が現れ異常にテンションが上がる。やはり都会はいい。まずはバイクで町を1周する。ホテルを慎重に見極める。3軒目でいいホテルを見つけホッと一息。一気に山間部の村へ行ってしまおうかととも思ったが、スペイン語学校を探してインタビューしてみようと気が変わったのだ。スペイン語学校も探すが1軒しか見つからない。それも休みなので仕方なく町を歩く。町の中心に教会があり、広場があるのはどこも同じ。何も変わったことがないのでカフェに入りコーヒーを飲む。スペイン語学校の場所を聞き、行ってみるが聞き間違えたのかそこにはなかった。インターネットに頼るのが一番だと思い直し、マクドナルドへ向かう。バイクがでかいのでどこへ行っても注目の的、ちょっと鼻高々になった。
マクドナルドはマックカフェが付いていないけどWiFiがあったので助かる。注文時にアイスコーヒーがあるか聞くがないと言う。僕は試しにコーヒーに氷を入れてくれるかと聞くとちょっと考えてできると言ったのでグランデを頼む。早口なスペイン語にちょっと困惑しながらも無事に注文できたことが嬉しかった。再び町へ、広場にはたくさんの人が溢れ楽隊に合わせて踊っている。道橋には出店が並び、いい匂いが聞こえてくるようだ。試しに一つ試す。聞くとトウモロコシとミルクのスープだという。熱々の鍋から救われたスープを一口すする。砂糖とシナモンが入っていて甘い。想像と違う味がいきなりやってくると困惑するのでちゃんと聞かなくてはいけないと思いつつ、まんざらでもなかった。僕が珍しいのか色々と質問される。ちゃんと答えられる質問もあればわからない質問もあった。
町は妙に埃っぽくて嫌な感じサンペドロとは違う。チキンバスの排気ガスだきっとあれが良くないのだ。大きな町のこうした空気の悪さはいただけない。僕が大きな町でスペイン語を習いたくない理由の一つだ。6時過ぎにホテルに帰りビール。
今日の一言
久しぶりの遠出に少しつかれました。走り出しはいつもより慎重に。ゆっくりと荷物の重さに慣れるよう抑え目に走ります。荷物は随分と軽くなったはずなのにやっぱり重いのです。考えてみればずっと運動をしていないので体もなまっているのでしょう。メキシコでは少しジムにも通いたいと思っています。町の散策はウキウキするものでした。久しぶりの観光気分に旅をしている実感です。
遺跡にて
ウエウエテナンゴにて学校を探す。昨日見つけておいた学校へ。思いのほか親切で好印象を持ったがレベルはわからず。気をよくして残る2校を探すが、どうしても見つからない。親切なガテマラ人が現れる。医者だと名乗る彼が連れて行ってくれたのはツアー会社でもそこでも先ほど行った1校のみを知っていただけだ。探しに探してもらいもう1校あるらしいとこじつけるがどうにも見つからない1件1件シラミつぶしに聞くが誰しもが知らないという。あきらめることにした。
気を取り直し観光。少し離れたサクレウ遺跡へと行く。遺跡の入口で昼食、支払いを忘れてしまい。恥ずかしい思いをした。入り口に所在無げに座る人たちと色々と話す。彼らの興味はやはりバイク。この辺りでは珍しく大きなバイクなので気になるのだろう。遺跡はすべてコンクリで固められていて見るも無惨な姿に変わり果てていた。まるで公園のジャングルジムをすべてコンクリで覆ってしまったよう。グアテマラ人の仕事にしては仕上がりがいいのできっと一生懸命に塗りつけたのだろう。努力だけは認めてあげたいところだが、じつにけしからん。
学校巡りが頓挫してしまい。時間が余ったのでカフェで一服。アイスコーヒを頼む。ミルクを抜けといったのに案の定入っている。うーむとなったが一口飲んで驚いた。入っていたのは氷とミルクをシェイクしたひんやりミルク、かなり強くシェイクしたのかコーヒーと混ざらないので下に溜まったコーヒーを飲み上澄みのように漂う氷ミルクをストローを上下させながら交互に楽しめた。これなら許す。
ウエウエテナンゴは標高が低いのかかなり暑い。日中はじんわり汗をかくほど、久しぶりの強い日差しに坊主頭が焼けてしまう。空気の汚さを除けばいいのかもしれない。
子を思う父との出会い
夜、ビールを買おうと外に出るとバイクを見ていた親子に声をかけられる。父親はよく話し、英語も少しできる。息子に写真を撮らせている。息子が部屋に戻ると息子は腎臓病を患っていると話し始めた。明日、グアテマラシティーの病院へ行くという。近い将来腎臓移植をしなくてはならないがドナーは見つかっていないようだ。離婚してもう一人の息子と3人暮らし、息子をとても愛しているという。回復を願う父親の思いがじんわりと伝わってきた。
3日目
クチュマタンにて
朝早くホテルを出る。町を抜けるまで慎重に進む。やがて山道に入りグングンと高度を上げて行く。タイヤの山が少なくなっているので時折滑る。山間の村々を抜け、峠を越えれば急な下り、ブレーキを心配しながらエンジンブレーキで下る。10時過ぎには村に到着50キロほどしか走らなかった。村の売店の前でバイクを止めると民族衣装に身を包んだ村の男に囲まれ質問攻めになる。ホテルを教えてもらいチェックイン。1泊1500円もするがこれまでのご褒美と思い、ここに決めた。村の散策に出かける。朝から何も食べていないので食堂に入り豚のスープを頼む。骨が砕かれた跡が生々しい感じ、肉を食べているという気持ちが湧き上がる。
メルカドに行き市場を眺める、民族衣装の生地屋が多く見ていて楽しいがどれもこれも機械で織った物ばかり、聞くと今は手織りは無地の物しかないという。この村のデザインは花柄が多く可愛らしいが機械織りでは興ざめしてしまう。再び歩き出し、山の方角へと向かう。途中、民家の庭で機織をしている女性に会う。見てもいいかと尋ねるといいと言う。お邪魔して見学させてもらう。花柄の織物を一つ一つ丁寧に織り上げてゆく姿はやはりいい。
子供が出てきて写真を撮ってくれと言う。この辺りの人はカメラが嫌いだと思っていたがそうでもなそうだ。写真を見せるととても喜んでいるのでプリントして持ってきてあげるよと約束を交わし、さらに山へと向かう。
古い民家の前で老女に会う。家の中を見せてくれと頼むと快諾してくれる。台所はひんやりとしていて日本の古民家を思わせる作り、トウモロコシを引く手動の機械が可愛らしい。彼女の父親が作ったという。写真を撮れというので遠慮なく撮らせてもらった。
さらに山へ、畑で3人の男が働いている。手を振ると振り返してくれたので図々しく畑に入って行く。トウモロコシの種を植えていた。村で食べたトルティーヤは黒いタイプだったがここで作っているのは黄色いタイプの物だという。ひとしきり話しておいとました。
丘の上に出ると村が一望できた。ベンチに座り休んでいると三人娘がやってきて写真を撮ってもらおうとコソコソと話している。思い切って撮らせてくれと頼むと照れながらもポーズを決めている。これから学校へ行くという彼女らと別れてさらに山へ、山間に点在する家々を眺めながら歩いていると老人がやってきた挨拶をして話す。手を見せてくれと頼む。長い年月土をいじってきた働き者の手だった。僕はこうした手が好きだ。節くれ立って太くなった無骨な手は見ているだけで気持ちが安らぐ。出会う村人全員が親切にしてくれた。山を下っていくと羊が道をふさいでいた。見るとツナにつながれている。近ずくと明らかにこちらに敵意を持っている。細いツナが切れやしないかとドキドキしながら羊の横を通り過ぎると綱がビンと張った。じっとこちらを見続ける羊を嘲笑いさらに下る。村に戻りカメラ屋に戻り写真をプリントして女の子に届けてあげた。
ホテルへ戻るとホテルの女の子とおばあさんがフリホーレスの豆をカラから取り出していた。手伝わせてくれと頼んでカラを剥く、とても楽しいがこの村の女衆は毎日こんなに大変な仕事しているのだと驚く。ここの女衆は本当によく働いていた。ずた袋いっぱいのカラを向いておしまい。仕事を手伝っている間色々な話をしてくれた。スペイン語はまだまだ。だけれども僕の旅は劇的に変わりつつある。撮る写真が変わった。こんな写真が撮れるのは言葉のおかげか。