土日通信 食生活はどうされてますか?

長期で海外を旅する人に食事を作ってあげると皆さんとても喜ぶのです。メキシコのロサス7では一ヶ月間ほぼ毎日のように食事を作っていました。俗にいうシェア飯です。シェア飯とはshare とご飯から作られた造語です。宿に泊まる数人からみんなで食材を買い、調理することでかかる食費を安く抑え、美味しいものを食べましょうという発想から生まれた旅人の知恵です。特に日本人宿では常態化している宿もあり、それが人気の安宿もあるほどです。

海外では食材や調味料などの入手も難しく、持ってきた調味料を大切に大切に使っている旅人もみかけます。醤油、味噌、出汁、ふりかけ、昆布など、まるで宝物のように感じるのです。僕もカナダのダイソーで大量に買ってきたそれらの調味料を大事に使ってきました。北米では容易に手に入る食材も中米に入った途端にみかけなくなります。必要に迫られて代替えのものを探すようになってきました。たまに見かける日本食材は高価でなかなか手が出ませんが、僕は長期で滞在するこのサンペドロではちょっと贅沢をして、味噌と醤油と干し椎茸を買いました。

これは長期になればなるほど食に対する大切さが身にしみているからです。ホームステーイ先で出される食事は野菜が少なく、僕にとっては辛いものでした。やはり野菜を摂る量が全然違うのです。そうなると体調管理や健康維持にも影響してきます。旅先で食べる現地の食事は短期であればとても魅力的ですが、やはり日本の味が恋しくなるのです。と言ってもそれはレストランなどで食べるそれとは違い、家庭料理の味なのです。ほうれん草のおひたしや、芋の煮ころがし、白米といったあっさりしたものや、ギトギトの味付けでない素材の味がしっかりと感じられるような炒め物や、後で喉が乾くことがないソースを使って料理です。とかく節約をせまられる若い旅人は毎日粗末な食事に耐え頑張っています。中にはケチャップパスタ、ケチャップご飯を交互に食べて過ごすような猛者もいるのです。

ロサス7で出会った旅人たちもまたそうした人たちがいました。キューバに行く旅人が多いこの宿、キューバから帰ってくるとなんでも美味しく感じられるのです。でもそれも数日のこと、やはり長くいると段々と食事についての悩みが出てくるのです。旅人動同士の会話では食事の話題は代表的なものの一つです。皆日本のご飯が懐かしことがよくわかるのです。そこで僕は最初のうち宿の親父と食べるために作っていた食事をみんなとシェアすることにしました。

初めて出したとき、全員が無言で食べているのです。僕は不安になってしまいました。まずかったかしら?お金を出し合って損したと感じているんですか?と随分と心配したのです。だって普段は皆さん雑談などをしながら食べているのに、それがまったくないのです。食べている間中誰も口も聞かなければ顔さえもあげないのです。僕は逃げ出したくなりました。いたたまれなくなって”まずかった?”と聞くと”美味しいです”と言ったきりひたすら食べています。僕はうひゃ〜と思わず席を立ってしまいました。外であ〜やってしまったなぁと思って後悔していると部屋から話し声が聞こえてきます。せめて皿だけでも洗おうと食堂に戻ると皆さんがごちそうさまでした。美味しかったですというのです。年寄りに気を使ってくれたなと思いお粗末様でしたと消え入るように答えるのが精一杯です。

次の日も、作ることになります。また皆が頼みますと言ってくるのです。そして食事中はだんまりです。僕は訳が分からなくなりました。作るのが面倒だからかなぁ、安くあげるからがまんしているのかなぁと疑心暗鬼です。ところが次の日からみんなが作り方を覗きにくるのです。鳥のガラからの出汁の取り方や野菜の切り方、味付けに至るまで入れ替わり立ち代り台所にやってきてはあれこれと質問するのです。食事があまりにも日本の味なのでつくり方を教えて欲しいと言います。彼らが食事中だんまりだったのは夢中になって食べていたからだと知りました。彼らは買い物についてきて何を買うのか、どんな食材を使っているのかまで知りたがります。毎日の買い物から、準備がとても楽しい時間に変わりました。

ロサスにいる間、僕は1度として同じメニューを作りませんでした。毎日、和洋中と知っているレパートリーの中から安くて誰にでもできて美味しいものをと考えたのです。味付けは限られた調味料を使い、ちょっとした工夫をすることで彼らの舌を楽しませてあげたいと思ったからです。
野菜をふんだんに使い、普段の野菜不足の解消と家庭料理の味付け、目で楽しめる彩りや盛り付けにして旅の疲れを癒してあげようと考えました。

随分と時間が経ったので全てを思い出すことはできませんが以下が僕が作った食事です。

生姜焼き定食
キャベツの付け合わせはなるべく細く千切りにしてドレッシングは油とお酢、塩コショウ隠し味にフルーツヨーグルトを少し混ぜ醤油で味を調えます。

IMG_6974天津丼
カニカマを使い、風味付けに味噌とアルコールを少し入れます。タレは醤油、ケチャップ、お酢、砂糖、レモンを絞り、鳥のダシで溶き、片栗粉でとろみをつけます。(片栗粉はメキシコで買ったものです)少し多目の油で卵を炒めふんわりとした感じを出しました。

 

中華丼
野菜はキャベツ、玉ねぎ、人参、ピーマン、ニンニク。豚肉を炒め、野菜に歯ごたえが残るように油をあまり使わず焦げ目がつくようにから炒めします。味付けは塩、コショウ。これに鳥のダシを加え醤油とごま油(あまり質は良くありませんがメキシコでも買えました)を加えカタクリでとろみをつけたら出来上がり。トッピングに卵をのせて出来上がりです。

IMG_7003ラーメン
3ミリの極細パスタを買い、大さじ一杯の重曹を溶いたお湯で茹でます。こうするとパスタの腰が抜けてラーメンの麺に似た食感になります。鳥ダシのスープに野菜炒めををたっぷりのせて出せばタンメンの出来上がりです。野菜炒めには軽くとろみをつけてそれらしい雰囲気にします。チャーシューがないとロサスの親父はブーたれていましたが、手間がかかりすぎるので却下です。その代わりに味付け卵をトッピング。(6分間茹でて半熟の卵を作ります。煮物で出た煮汁につけて冷蔵庫で一晩寝かせました。

IMG_7034冷やし中華
麺は同じ、具はハム、錦糸卵、レタスの千切り、きゅうりの千切り、トマト、トッピングに長ネギもどきとゴマそれに味噌を少しとサラダ油で溶いたものをのせます。タレは天津丼で使った材料を少し濃いめに、酸っぱさを出すためにレモンとオレンジを入れました。

 

ミートソース
玉ねぎ、トマト、ピーマン、ニンジン、ニンニクをたっぷり使い、肉は豚と牛のひき肉を使います。バターでニンニクを炒め、みじん切りにした玉ねぎを透き通るまで炒めます。ニンジンを入れ、トマトを炒めます。野菜ジュースを少量と、一番安い白ワインをちょこっと、少しするとトマトから水分が出てまったく水を使わなくても大丈夫です。塩とコショウ、醤油、マヨネーズ、ケチャップ、ソースを入れて味を調えます。あまりソースソースした感じはなくボテっとした塊を茹でた麺に乗せるような感じです。麺には軽くオリーブオイルをかけました。ピーマンはあまり茹でると色が変わるので最後に軽く火が通る程度にすると色が鮮やかになります。

IMG_6982鳥のトマトソース煮込み
鳥を鍋で軽く炒め、トマトピューレで煮込みます。とても簡単でしかもボリューム感もあるので若い人には向いています。トマトを荒切りにしてソースに混ぜると雰囲気が出ます。煮込まずに火を止めてから混ぜるだけで大丈夫です。香草をみじん切りにして上からかければ赤いソースに緑が映えて綺麗です。ソースには他にコショウとウスターソース、マヨネースとヨーグルトを混ぜました。

IMG_1219鉄火丼

マグロと山芋に似た芋が手に入ったので山かけ風鉄火丼と作りました。あまった山芋はノリで巻いて油で揚げます。ノリのパリパリ感と山芋のホクホク感が絶妙で醤油でいただきました。

 

とんかつ

古くなったパンをおろし金でおろしてパン粉を作ります。あとはさっと揚げればおしまいです。これも日本的な料理の定番。簡単でボリューム感もたっぷりです。付け合わせのキャベツのドレッシングは果肉の入ったヨーグルトベースのものを作りました。

IMG_1221カレーライス

 

 

 

親子丼

これも簡単です。鳥は安いし卵も同様。だしを使って煮て卵で閉じればおしまいです。でもこういう味は日本を感じるんですよ。カナダにいた時もコロンビア人に作ってあげたら大絶賛していました。
IMG_6994カオマンガイ

深鍋とお皿を利用して鳥を蒸します。出たスープでご飯を炊き揚げます。醤油とソース、XO醬があったのでそれを買いゴマをすって混ぜます。カボスに似た果物を絞って醤油と唐辛子で作った2種類のソースでいただきました。

 

カブと豚肉の煮物

だしがあったのでじっくりと煮込みホクホクの柔らかい豚の角煮、たっぷりと味の染み込んだカブは絶品でした。ネギを上に散らし、からしを添えて出しました。白菜に似た感じの葉物野菜を見つけおひたしにして食べました。

IMG_6949餃子

カブの煮物の時に使った白菜風の葉物野菜とキャベツひき肉を使い餃子を焼きました。羽根つきのパリパリはみんな大喜び、カタクリを薄く溶いた水で蒸し餃子がフライパンから離れるまでじっと待つのがコツです。

 

てんぷら

衣は小麦粉、天つゆはだしを使います。大根の代わりにカブをおろして代用しました。さっぱりとしてなかなかです。

サンペドロに来てからは味噌が手に入ったのでレパートリーに幅が出ました。味噌は結構な値段でしたが長期滞在を睨んで思い切って買いました。本当に使い勝手のいい調味料で何にでも合います。隠し味にも最適で少量入れるだけでも味にコクが出ます。
ナスの田楽

ナスを炒めて田楽風の味噌を作って塗って食べました。ナオさん大絶賛のこの一品は僕も唸ってしまうほど美味しかったです。この時に試しに買ってみたかぼちゃの種を粉末上にしたものはきな粉とごまを足して2で割ったような味、何にでも良く合う万能ふりかけです。市場で手に入れました。
IMG_8100キャベツの味噌炒め

キャベツを炒め、味噌、醤油、ゴマ、かぼちゃの種を粉末にした粉、唐辛子、油で作った特製味噌をからめて出来上がりです。鳥の皮の唐揚げをバリバリと潰して肉の代わりとしました。香ばしさと食感が良くなりおすすめです。

 

IMG_8126カレーうどん

カレーが先に作ったのですがこれはそれを上まる自信作。老麺用の麺が手に入ったので柔らかく煮てうどんにします。干し椎茸を水で戻し、だしの代わりにしてカレーを注ぎました。ネギをたっぷり刻み、ゴマを振りかけだしに使った椎茸を千切りにしてトッピングしました。

 

IMG_1273カレーライス

カレールーをたまたま見つけ飛びついてしまいました。海外で食べる日本のカレーは絶品です。

 

 

ラーメン、焼きそば

中国製焼きそば用の麺を使ったのが失敗でした。これはイマイチの出来。たまには失敗もあるのです。やはり焼きそば用の麺では無理があったようです。翌日はきっちり焼きそばにして野菜と一緒に炒めると日本ぽい感じになりました。

IMG_8064ポトフ

根菜を買ってきてコンソメスープで煮るだけ。丸のまま入れるのが僕のやり方です。火を止め一旦冷めるまで寝かします。味がしみ込み、野菜もお箸でスッと切れるほど柔らかくなります。

 

IMG_8123肉じゃがとカブの酢漬け

山芋と里芋を足して2で割ったような芋を見つけためにし使ってみました。とても美味しく味も肉じゃがそのものです。カバンの底にあったうどんスープを見つけて味付けに使いました。

 

他にも好評だったものにレタスを茹でただけのものがあります。これはごま油と醤油を混ぜ、お湯から揚げたレタスに絡めるだけの簡単な料理です。温かいうちに食べると絶品なんです。

ほんのひと手間と、盛り付けを工夫するだけで随分と満足感が違う料理。ブログに載せることは考えていなかったのでスナップで恐縮ですが、サンペドロで一緒にいるナオさんは連日大満足の様子。彼女はメキシコの時からのお得意様です。いつも美味しいと言って完食してくれるので作る方も力が入ります。彼女が是非ブログに載せろというし、日本の友人も食事のことが知りたいと言うので今日はちょっと食事のことを書いてみました。久々に画像も入れてみましたが。時間がかかるかかる。これだけの写真で10時間ほど費やしてしまいました。

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