スペイン語留学6週目 poco a pocoなんて大嫌い

ひんやりとした1日でした。肌寒く、朝は毛糸の帽子をかぶっている人を多く見かけます。毎朝立ち寄るカフェのコーヒーがとても美味しく感じられます。ここでやりきれなかった宿題や予習じみたことを1時間ほどしてから学校へ向かうのが日課です。朝活という言葉が未だに存在するかはわかりませんが、朝のスッキリした空気の中、勉強するのは嫌いではありません。

学校に向かいますが気分はあまり優れません。昨夜のアクティビティーでは誰とも話すことなく帰ってきました。スペイン語を話すのが嫌いなわけではないのです。むしろ積極的に話したい気持ちはあるけれど肝心の話題がないのです。僕は物事を簡潔に話すので話題がすぐに尽きてしまいます。”仕事は何してたの?””うん、会社で働いてたよ”これでおしまいです。次に続く質問があれば答えますがそれがない場合はおしまいなのです。逆に僕が同じ質問を相手にするとその仕事はどうで、こんなエピソードがあってとしばらく僕は聞く側に回りますが、その答えに対するレスポンスがうまくできないのです。外国人たちは素早く興味のあることを見つけ出し、さらに質問しますが、僕は”おもしろそう”と答えるのが精一杯。これでは会話も続きません。これは僕の最大の弱点です、人のことをあれこれと詮索するもんじゃないと考えてきた僕にはどこまで聞いていいのやらわからないのです。まったく仕事一筋で人生を送ってきたツケが溜まってしまいどうにもなりません。”昨日は何したの”と聞かれても毎日同じです。カフェで勉強これだけです。今の僕には話題を作る余裕すらありません。毎日の学習に精一杯で他の人たちのように遊びに行ったりする気が起きないのです。楽しんで学習するやり方がわからないバカ真面目な日本人、会社に通っていた時と同じです。せいぜい電子書籍を読むことぐらいが唯一の気分転換、それも日本の怪談噺のようなたわいもない何も考えずに読めるような軽いものばかりです。これではいけません休み時間の時に賑やかに話をする人たちのそばでそっと、どんな話題なら会話が続くのかと聞き耳を立てて技術を盗んでやろうとしています。

 

28日目 むかつくぜ
停滞期にでも入ってしまったのか、なんら変化の感じられない毎日のレッスンといつまでたっても終わらないまとめ作業、ノートには知識が溜まっていきますが使う機会がないまま忘れていきます。仲良しの近所の子どもと遊ぶこともめっきり少なくなってしまいドツボにはまった感じなのです。

レッスンでは人生の一コマを語った文章を直して再挑戦、何も見ずに言うことに挑戦です。だいぶマシにはなっていますが自分の言葉になっていません。現状がどういう状態であるかを知るだけです。素振りをしているような手ごたえのなさばかりです。もっと練習が必要です。毎日出される宿題は随分と楽にできるようになっていますが、これだけやれば当たり前、同じ単語をそれぞれ100回も調べ直せば覚えてくるのです。それでも話そうとすると出てこない時の苛立ちはどこにもぶつけようがありません。まぁこれは多少の進歩だと自分を褒めたい気持ちもありますが納得がいかないのです。今日は朗読をさせられました。簡単な伝記の短いセンテンス。図鑑に書かれた鳥の説明を二つ。簡単なのことは本を見ればわかるのです。でも知らない単語のオンパレード、読めない、つっかえる、たどたどしいの3拍子が揃います。読んでいる本が子ども用だとわかるだけに悲しいのです。大の大人が子どもの本すら読めないなんて、しかも読んでも意味がわからないのです。だって嘴から尻尾まで1mと書かれていても嘴なんて単語は見たこともないのです。尾っぽなんて使ったこともないのです。巣なんて言われても想像すらできないのです。僕はスペイン語で幼少期を過ごしていないのでこうした言葉を知らずに育ってしまったのです。子どもなら誰でもわかる言葉がまったくわからない大人は悲しいものです。経験から生まれる単語や親が聞かせてくれる知識を持っていない僕がやらなくてはいけないことはどんどん外に出て興味を持つことなのに、時間が持てません。レッスンを減らすことも必要かもしれないと考えていますがそれも得策ではありません。

まさに八方塞がり。朗読を終えた時、泣きたくなりました。自分があまりにも情けなくて、惨めに思えたのです。ギブアップの言葉が出かけます。ホセが”poco a poco” と言いました。少しずつという意味です。ブチっと頭の中で音がしました。この言葉はフィリピンで先生たちがよく使うDon’t be shy に似た感じで使われる言葉です。僕はこの言葉が嫌いです。”少しずつなんかいやなんだよ、もっと早く人より何倍も早く覚えたいんだよ、こんな絵本なんか読ませやがって、ポコアポコなんてまっぴらだぜ、徹底的に凹んで自分の頭を痛めつけてやる、気が狂うほどスペイン語脳にしてやるから待ってろよ、話せないのはイヤなんだよ” 負けず嫌いに火がつきました。できない時にはできない時のなりの勉強があるのです。今やれることをやるしかありません。嘴を知らなくたっていいんです。だって日本語で嘴なんて単語を行ったのはいつのことだかも覚えてないんですから。これまで習った単語を今月中に全部覚えて言えるようにしてやると心に決めました。レッスンが終わり、部屋に戻ってベッドに倒れこんで気絶です。気がつけば4時半、まだ頭がボーッとしています。
キツイのは承知の上で始めた語学留学、ちょっとやそっとでは引き下がれません。図らずも今月の目標ができました。これまで習った単語全てを覚えること。メキシコに戻るまでになんとしても日常会話ができるように頑張ります。

今日の一言
孤軍奮闘と言えば聞こえはいいですが、まったくもって語学は難しいのです。まったく話せない人が言葉を覚えるは大変です。それは英語でもスペイン語でも他言語でも同じこと、どこの誰がこんなものを作ったのか知りませんが、世界共通であればこんな苦労はしなくても済むのです。せめて方言程度にとどめておこうくらいのことを思わなかった先人たちの間違いのおかげでこんなに僕らは苦労しているのです。一説には神様の言うことを聞かずにアフリカを飛び出し、世界中で好きほうだいやっている人間がお互い分かり合えないように別々の言葉を与えたと言われます。アジアの小国で限定的な言語しか知らない僕がこの大陸で使われている2大言語を話したら神が困るのでしょうか、もしそうだとしても僕は絶対に諦めないのです。神が許さないなら僕は神にとって変わってやろうぐらいの気持ちがあるのです。

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