スペイン語留学1週目 通学と今週の目標

フィリピンと違うのは通学があることです。学校は家から歩いて15分ほどのところです。通学なんていつ以来でしょうか、少しひんやりとした空気、あちらこちらの家から立ち上る焚き木の薄煙の中を歩きます。行きは下り坂、賑わう市場のところで道をそれて船着き場の方へ進みます。湖畔の船着き場の手前を曲がり少し行ったところにあるカフェに寄り道です。ここでコーヒーを1杯飲むのが楽しみの一つ。グアテマラコーヒーはガツンとした味わいがあって僕好み。しかもここの店は豆を手作業で選別し、自家焙煎しているのです。美味しくないわけがありません。1杯9ケツアレスです。ここでコーヒーを飲みながら昨日の復習を少ししてから学校に向かいます。あちらに目をやっては興味津々、こちらに目をやっては目に付いたものをスペイン語でつぶやきます。すれ違う人は”何言ってんだ?”といぶかしんでいますが、僕は小学生に戻ったように楽しいのです。妄想の世界にどっぷりと浸かりながら、ものの名前を言い当て得られた時の自分がペラペラにでもなったかのように上得意になっています。
肝心の今週の目標を忘れていました。
✳︎ 単語は200語、動詞の暗記と変換を50語、毎日ホストファミリーと新しく覚えた単語を使って話すこと。

簡単なことですが今自分がやるべきことは基本的なことをなるべく早く覚えてしまうことです。今の僕は3歳児にも満たないのです。そこらを歩いている野良犬より理解力はないでしょう。1日も早く犬以上になりたいものです。

4日目
動詞の活用がどうにもわかりません。説明を聞いているときはわかるのですがいざ自分で勉強するとことごとく??のオンパレード。レッスン中に書いたノートを見直しますがうまくいきません。時間がかかることを覚悟します。動詞、名詞共に英語と似たものは比較的簡単に記憶に残りますが、似たような音、発音しにくいもの、まったく違うものは何回やっても忘れてしまいます。それでも続けている段々と記憶に残る単語が出始めました。例えばTシャツ。英語ではT-shirtです。でもスペイン語ではplayeraです。英語のplayerに似ています。見た目は似ていますが読み方がまったく違います。プライエラと発音するのです。まずプレイとTシャツが結びつきません。次にPから始まるアレとなって、playという単語が浮かんできます。読み方に気をとられていると最後についてくるeraが消え去っています。結局、辞書を引きなおしプ ラ イ エ ラとたどたどしく読んでようやくあープライエラだとなるのです。一時が万事この調子、イライラが募ります。レッスン中はさらにひどく、せっかく覚えたと思った単語が出てきません。ホセが助けてくれてまたまたあーとなっています。
質問に答えるときは英語のwhen where who what which howを使えこなせません。qúe cómo quién caul cuántoちょっと活用がバラバラですがこんな感じでまったく違うし、CとQは音が同じなのでなおさら耳に入ってくるとあれどっちだっけとなります。さらにwhoはどれだっけ、whenは??そしてこれらのクエスションは英語と少し使い方が違うのです。what is your name?のwhat にあたる語はcomoですがこれは英語ではhowにあたります。あなたの名前はどう書くの?と訳します。そう5W1Hの使い方が違うのです。質問されても何回かに分けて変換しなくてはなりません。さらに質問に含まれる名詞や動詞も危ういのです。とってもレスポンスの悪い自分に逆戻りです。

英語でもそうでしたが、覚えていることと喋れることには大きな開きがあります。練習をしなくては喋れるようになれません。本番で使うにはあまりに拙いのです。何回も何回も失敗を繰り返し、耳にタコができるまで聞いて初めて聞けて、答えられるのです。今はまったくできませんが素振りを続けるしかありません。それにしても容赦ない質問の嵐、これは自分のためだと思ってもさすがに4日目では辛いものがあります。

今日は数です。僕が最も苦手とする数字は最悪です。ウノ、ドス、トレス・・・すぐにつかえ間違えます。本当に恥ずかしい。だって1〜10を数えるのですらやっとなのですから、11〜15までも変わった読み方をします。あーと叫びたくなりますが。100まで数えます。1のウノが出ません。すぐに2のドスになってしまいます。1000、100000を教わりなんとかホッとできましたが、続いて出てきたのは色、これもぐえ〜と言いたくなるほどでした。しらねーよと言いたくなるのをこらえつつ頑張ります。

基本的なことばかりなのに酷い有様ですがまぁこんなものでしょう。2週間後には意志が通じるとの言葉を信じて頑張りましょう。それにしても旅人は短期留学でスペイン語を少し覚えて旅立っていきますが、彼らの能力の高さには驚きです。本当に喋れるようになっているのでしょうか。謎は深まるばかりです。

大晦日も正月も関係なくレッスンがあるので日本が正月を迎えているという感覚がまったくありませんでした。今年の新年はグアテマラの花火とダンスパーティーで過ごすことになります。ともあれ新年明けましてオメデトウございます。
下校の時は朝とは違う道を帰ります。2通りの道をその日の気分で帰ります。帰り道は上りしかありません。はぁはぁと息が切れますが気分はウキウキです。民族衣装を着た女性が異国情緒を盛り上げてくれます。ちょうど昼時の帰り道、あちらこちらからいい匂いが漂います。勉強をすると不思議とお腹が空くのです。今日の昼ご飯は何かな?と期待しながら急な坂道を行きます。疲れた頭が甘いものを欲しがります。途中にあるアイスクリーム屋さんに目が行きますがここは我慢です。銀行がものすごく遠いのでお金を節約しなければなりません。なにせ船に乗って湖の一番遠い町まで行かなければならないからです。市場のあるところで一旦道は平坦になります。露天が並び活気があります。ホッと一息ついてから残りの道を一気に上れば家です。”オラ〜ブエノスタルデス”と玄関をくぐります。

「通学」なんて羨ましい響きでしょう。こんな楽しいことに今になって気がつくなんてもったいないことをしてきました。遠くの山、眼前の湖、無数にある路地、露店、石畳み、落書き、教会、乞食、ヨッパライ、笑い声、泣き声、鳴き声、バイク騒音、トゥクトゥクのクラクション、犬の交尾、馬の糞、魚の頭、ジュースの王冠、不発花火。すべてが僕の目、鼻、耳から飛び込んでくるのです。暮らすように旅をするとはこういうことなんでしょう。立ち止まってじっくりと見る町のなんと新鮮なこと。たった15分ほどの小さな旅ですが何百キロも移動する旅にまったく引けを取りません。週5日僕はこの幸せを味わえるのです。お昼ご飯を食べ終えたら勉強です。眺めのいい屋上の机に陣取って孤軍奮闘です。

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