グアテマラの道 

IMG_7242町を朝早く出ました。今日は行く先を決めていません。目指すはサン ペドロ ラ ラグーナですが行けるかどうかわかりませんでした。町を出てしばらく行くと道はダートに変わりました。凸凹のとんでもない道です。小さな町中にあるその道は穴ぼこだらけ、今まで経験した中で一番荒れています。先日降った雨のせいで所々ぬかるみ、ツッルツルです。穴を避け滑るタイヤを騙しながら30km/hほどの速度で進みます。町を抜けるとフラットダートになってきますが、それでも穴はいきなり現れ、ひやっとします。どんどんと標高が高くなっていき、遠くまで見渡せる景色は日本の山を連想させます。30年ほど前の甲州街道の一部や道志みちを思い出しました。

まずはビデオをどうぞ


IMG_7241くだりになると今度は速度が上がりますが、道が荒れていて怖くて仕方ありません。ステップに立ち上がり遠くを見通してバイクの重心を下げます。アラスカでジュリアンやタケヤンに教わった乗り方が役に立ちます。時々先の鋭い石があり、タイヤが心配です。途中で止まって確かめるとざっくりと亀裂が入っています。これはやばいとなるたけフラットな場所を選んで進みます。必然的に道の端に寄ってしまい、今度はぬかるみにとられて側溝に落ちてしまいます。草むらに突っ込みバイクが振られあわや転倒です。

こんな時、タケヤンだったらどう走るのだろうと考えてしまいます。道はますます急なくだりになりだしました。不意にブレーキがスカッと反応が頼りありません。まさかブレーキが壊れたか?一度踏み込みます。まったく効きません。顔面蒼白になりました。こんなところでブレーキが壊れるとは絶体絶命かと思いました。ここは山の中、修理するにも止める場所はありません。ギアを2速に落としてゆっくりゆっくりと進みます。なんとかバイク屋のあるところまでいかなくてはどうにもなりません。また急な坂が目の前に現れブレーキを踏んでしまいました。するとあれだけスカスカだったブレーキが効いてくれました。あれっと思いもう一度。ブレーキが復活です。おそらく僕のバイクはとても重いので熱でブレーキが一時的にダレてしまったのでしょう。ともあれホッとしました。

あまりブレーキを酷使しないように進みます。小さな町にたどり着き、バイク屋さんを見つけました。飛び込んでブレーキを見てもらいます。どうやって説明すればいいのかわかりません。そこでカンクンで聡子さんから頂いた水中でもかけるノートを出してブレーキの絵を描いて説明すると彼らはすぐに理解してくれました。ブレーキを調べてくれますが異常はないようです。やはり熱でダレてしまったようです。ちょっと心配でしたがこのまま進むことにしました。走っていてもいつダレるかわかりません。もしかしたらブレーキパットが焼き戻ってしまってダメになったかもしれないなどど余計な心配が頭をよぎります。

やがて鉄で出来た橋が現れました。下が丸見えのこの橋、格子状の鉄板を敷いただけの簡易な橋です。僕はこのての橋が大嫌いです。タイヤがとられてフラフラとしてしまうからです。橋の手前で一旦止まり、ギアをローにして一定の速度で一気に渡り切ります。渡り終えた先にはアスファルトの道がありました。ダートは終わりました。ホッとしたのもつかの間、所々がけ崩れで道がありません。急ごしらえのダートを通り先へと進みます。何箇所も崩れていて地盤のもろさをうかがわせます。村の人が手作業で道を補修しています。近づくと手を上げて人差し指を立てています。はじめは、道中の安全でも祈っていてくれているのかと思いましたが、彼らはお金を要求していました。彼らにとって命綱とも言える道ですが、ドライバーから直接お金をもらおうとする彼らの商魂に関心します。

所々に点在する町は賑わいを見せてくれます。民族衣装に身を包んだ女性がたくさんいます。休憩しているとバイクを見にたくさんの人がやってきます。道を通っていても村人全員がガン見です。日本から来たというとみんな一様にびっくりしています。写真をとっているとiPhoneが気になるのかいくらだと聞いてきます。10万円だと答えるとびっくりしています。僕のバイクについているもの全てが気になるようです。確かにこんなでかいバイクで荷物満載では目立って仕方ありません。でも彼らはとても感じよく接してくれました。欲しがることもなく、興味津々といった感じです。お昼には少し早いので先に進みます。

IMG_7261 IMG_7266やがて大きな町が近づいてきました。ここでランチを取ることにします。目に付いた食堂に入りメニューを頼みますがありません。少年が口で言うよというのでまたしても先ほどのノートを出しました。豚の絵を描いてみせるときゃっきゃと言って笑います。女の子がトリの絵や牛の絵も描いてくれます。どれがお勧めかと聞くとトリのスープだというのでそれにしました。トマトの入ったスープに大きなトリが入っています。付け合わせのトルティーヤが変わっていてカラリと焼いてありました。それがとても美味しくてパリパリと食べているとおかわりを持ってきてくれます。ジャガイモも変わった形をしていて洋梨のような形です。アボガドの皮が殻のように硬くまん丸なのにも驚きました。所変わればです。
食後に彼らと少し話をしました。こちらがわからなくてもお構いなし。次々と質問してきます。彼らの興味は尽きることがありません。日本語を話せと言ったり。雪が降るのかと聞いたりととても楽しいひと時です。もちろんわからないので絵を描いたり辞書を使ったりと大忙し。雪だるまの絵をみせるとケラケラと笑っていました。

IMG_7194 IMG_7201まだ1時前なので先に進むことにします。しばらく行くと大きな町に出ましたがホテルが高そうで逡巡しているうちに町を出てしまいました。さらに進むと道が再び荒れ出します。舗装が剥がれて走りにくい道です。交通量も増え、車が出す真っ黒な排ガスに辟易としながら今日泊まる町を探します。新しい国に入ると何日かは宿探しに苦労します。相場や設備がわからないからです。昨日泊まった宿は高いくせにシャワーは水だけで夜に浴びたら震え上がってしまいました。安そうな宿を見つけて聞きますが。どこも水シャワーです。クリスマスイブくらい温かなシャワーを浴びたいと思い、先へ進みます。そうこうしているうちに目的地が近くなってきました。時間は4時半を回っています。暗くなる前になんとかつけるだろうと頑張ります。この先山賊が出る道があるのですが明るいうちに通れば大丈夫と言い聞かせます。今日はクリスマス、そんな日に悪事を働くことはないだろうと勝手に想像します。道が再びダートに変わります。ドキドキしながら気持ちだけが急いてしまいます。途中で何回も人サン ペドロ ラ ラグーナはどっちですかと聞いていきます。もし誰かが山賊のことを言ったらおとなしくそこで今日は泊まろうと思っていましたが誰もそんなことは言いません。これは行くしかないと心に決めました。人気のないダートを行くのはなんと心細いものでしょう。湖が見え、町が見えた時、心底ホッとしました。

IMG_7290町に入り宿を探します。ホテルは1件だけ。少し高かったのですが試しにマケてもらえないか頼んだら2泊で160ケツアルにしてくれました。ホットシャワーにWiFiがついてこの値段、さらに今日はクリスマスイブです。ちょっとだけ贅沢をすることにしました。早速グアテマラコーヒーを飲みに喫茶店にいきます。町は小さくすぐに見つかりました。安くて美味しいコーヒーを一口すするとどっと疲れが出ました。コーヒーに癒されてさらにスペイン語学校を探しにいきます。すぐに1件見つかりました。話を聞くとロケーションやシステムはいいのですがちょっと高いのです。この町は安いと聞いていたので他に学校があるか聞きましたがここしかないと言います。あれっと思いグーグルマップを確かめるとやってしまいました。なんと一つ手前の町です。時すでに遅し。山賊にビビリ、目的地までたどり着くことができなかったことに今更気がつきました。

とりあえず学校は保留して、ホテルに戻り食事にします。屋台を見つけタコスを食べました。町はクリスマス気分一色。花火が上がり、人々の幸せそうな話し声が響きます。お神輿に似たものを担ぎ、楽隊が演奏しながら練り歩いています。決して豪華ではありませんが心から祝っているのがわかります。食事を終えた僕はビールを買いにいきました。あったのは1種類だけ。店の女性が申し訳なさそうに出してくれたのは初めて見る銘柄でした。僕は”ありがとうメリークリスマス”というと彼女は驚いたように”ありがとう、あなたも”と言ってくれました。町のあちこちでドンパチと花火が上がり爆竹がなっています。通りには人が溢れ、とても幸せそうにしています。

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