Belizeは短い滞在だったけど

今回の記事、写真がありません。あまりに雨がひどく写真を撮ることができませんでした。本来はとっても綺麗な海やちょっと変わった建物、アフリカの血が濃く残る人々などなど撮りたかった写真は多くあるのですが、筆足らずの僕の記事で我慢してください。

出入国にて

ベリーズに入りました。入国審査もスムーズにバイクの手続きもすんなりです。なぜならこの国は中南米で唯一の英語圏の国だからです。こんなにも違うのかと思うほどスムーズにことが運ぶのは嬉しいものです。でも、ゲートを通ろうとした時です。デップリと太った女係官がたったひとつしかないゲートで僕の荷物を開けるように言ったのです。バイクのパニアケースを指して”これを開けろ”と意地悪そうな笑みを浮かべています。もちろんそのケースは荷物の一番下にあり、蓋を開けるには全部の荷物を下さなければなりません。この時後ろには誰も待っていなかったのです。僕は諦めて彼女の指示に従うしかありません。荷を解いている横でニヤニヤと笑う彼女。すると後ろから集団で車がやってきました。僕はわざとゆっくりと荷を解きどんどん列を伸びさせてやります。彼女は次々とやってくる車に気がつきます。すこし慌てているのがわかりました。やっと開けた蓋をチラリと覗いただけでほとんど見もせず片付ける様に言いました。そしてそれをあっちでやれというのです。カチンときた僕は”無理だよ運べないじゃん””それにこれはあなたの命令でしょ”とサラッと言ってやりました。彼女はちょっと罰が悪そうにしています。殊更にゆっくりと片付ける僕にイライラしてバイクを押して動かせと言います。僕は”できないよ重すぎて押せないんだ”と言ってやりました。やっとこさ片付いた時、後ろには長蛇の列、僕は後ろを振り返り手のひらを上にして首を傾げてドライバーに訴えます。彼女がやらせているんだよと彼女の方を向いてもう一度わからないよというゼスチャーをしてやりました。バツの悪い彼女は男の係官のところへ行き交代するとさっさといなくなってしまいました。せっかくスムーズに通れると思ったのにやっぱり僕はついてない。それでもメキシコの入国に比べれば短時間で済んだのは進歩の証かも。

メキシコからの出国は国境のゲートで出国税を支払い、脇にある事務所へ、ペルミソの返金手続きをしておしまいです。ここではベリーズの入国の仕方を知っているかとおっさんが聞いてきました。僕は”大丈夫全部知ってるよ”と答えるとOKと言っていなくなりました。ベリーズの入国管理に行き入国審査を受け、その奥にあるデスクでバイクの登録証を提出してしまえば係官の”That’s it”の一言で全て完了です。何も払う必要がないと聞いていましたが駐車場に戻ると怪しげなおっさんが近づいてきました。何やら切符の様なものを見せて僕に15ベリーズドルを支払えと言います。紙にはBORDER MANAGEMENT AGENCY MINISTRY OF TOURIZUMと書いてあります。怪しげに思えたのでこの紙は何と聞くと出国の時、ボーダーで必要になると言っています。そこへ別の人がやってきてこんな紙は初めてみたけど何と聞いています。おっさんは堂々と同じ説明をしています。僕はますます怪しいと思いましたがその人が納得してしまったので仕方なく僕も払ってしまいました。出国の時に必要にならなかったらあのおっさんにしてやられたことになるのでしょう。う〜ん・・・。ともあれベリーズに入ってホッとしたのもつかの間、今度は警察が検問をしています。免許、保険、登録証の提示を求められます。僕はしらばっくれて日本の海外旅行保険を提示しましたが、読めないからダメだと言われ保険会社に行く様に言われてしまいました。3日分で20ベリーズドルを支払いまた引き返します。別の警官が立っていて今度は何もチェックせずすんなりと通してくれました。ここであいつはグルだったかとちらりとよぎりましたが、まぁいい練習になったと思ってさっさと通り過ぎました。

陸路での出入国は以外とあっさりですが、それでもこんなことがあると途端に気弱になるものです。情報と違っていたり意地悪されたりすると不安や焦りが出てしまうのもこんな旅ならではです。一緒に遊んでブログネタを作っているんだと思っておくことにしましょう。これから先の難関もきっといいネタが転がっているはずです。国境越えの時は最低限のお金だけは用意するに越したことはないでしょう。例の紙と保険に関しては真相究明したいですね。保険はまぁ必要ですから買っておくに越したことはありませんがあの紙、あれは気になります。
僕の見たベリーズ

高床式の家、さとうきび畑、湿地。最初に目に入ってきたのはお世辞にも豊かな暮らしとは言えない光景でした。隙間だらけの板小屋は雨露をしのぐがやっと。家畜小屋と変わらない粗末な作りです。もちろんコンクリの家もあるのですが、所々に立つこの高床式の家が気になりました。理由はすぐに見当がつきました。大きな湖と点在する湿地です。おそらく雨季には増水して被害が出るのでしょう。コンクリの家の中も打ちっ放しの床のようです。窓がない家が多く風通しは良さそうですが虫はどうなんだろうと気になります。

ゆっくりと見物しながら進んでいくと窓から顔を出す女性がおやっと思うほど美人です。決して垢抜けてはいませんが人の良さそうな田舎美人に目を奪われてしまいます。外を歩いている女性もしかり、スラリと伸びた長い手足にアスリートのようなしなやかさを持ち合わせたスタイルはメキシコで見た女性とはまったく対照的です。色が黒くアフリカ系であることがわかります。一緒に歩いている女性はマヤ系の顔立ちでずんぐりしていますが彼らは同じベリーズの国民です。聞こえてくる会話は英語です。

しばらく行くとさとうきび畑で働く農夫が見えました。彼らは鉈を手にさとうきびを刈り取っています。こんな広大な畑を鉈1本で刈り取っている光景に驚きました。遠目にしか見えませんがきっと彼らの手はねじ曲がり、ささくれだってさとうきびのアクで真っ黒に染まっているであろうことが容易に想像できました。たった3人ほどしか見えなかったので彼らだけでこの畑を刈り取ることを考えると大変な重労働です。

さらに進むと町に入ります。すべての文字が目に飛び込んできます。それらは英語で書かれているのです。スペイン語と違ってスラスラと入ってくる文字に心がときめきます。売店にバイクを止めてコーラを頼みます。流暢な英語でマヤの顔つきをしたおばさんが”これから雨になるよ”と言ってくれました。店先に座って近所の人と話しているおじさんたちの会話も聞こえます。ここがベリーズであることを強く意識した瞬間でした。

僕はとても心地よい感じを受けましたが、同時にものすごい違和感も感じたのです。ついさっきまで同じ顔つきの人たちはスペイン語を話し、英語をまったく話せなかったのです。たった数百メートル離れたこの場所では人々は英語を自分の言葉として使っています。目に見えない国境という線を隔てた両側でここまで違うものなのかと驚きました。国家とは一体なんなのでしょう?生まれた場所がほんのすこしだけ違っただけなのに人の人生を左右するほどの権力を持つ国家というものが怖くなります。英語を話すマヤの人はスペイン語を話す同じ民族のことをどのように感じているのでしょう。逆もしかり、ベリーズの人はスペイン語も理解しますがその逆は稀です。国境という線がもつ意味を初めて実体験として理解できました。おそらくベリーズに住んでいるのが黒人だけならこんなことを感じなかったでしょう。

ベリーズシティに向かう途中で大雨になりました。道はみるみる冠水していきます。すこし早めのランチにして雨をやり過ごそうと屋台に入ります。注文はやはり英語です。これまで選べなかったソースや付け合わせもすんなり注文できます。これは大変に心地よいものです。道を聞いてもはっきりわかり、ガソリンスタンドでも世間話を普通にできるのです。英語を存分に楽しみながらしみじみといい国だあなぁとつい呑気に考えてしまいます。

雨宿りのバス停にて

雨の中、ベリーズシティーに到着です。町に入った途端、大渋滞です。その原因は溢れ出る水です。マンホールすべてから水が吹いています。バシャバシャとくっさい水の中を進むのはたまりません。僕は早々にシティー滞在を諦め、グアテマラとの国境に近い町を目指しました。途中あまりに雨が激しくなったのでバス停脇にバイクを止めて屋根の下に逃げ込みます。あとからおじさんがやってきます。彼も英語を話します。グアテマラに向かうことやバイクのことを話し、彼のことを聞きます。アーティストだという彼は全身刺青だらけです。日本のとは違うねと言うと彼は日本の刺青がどうしても入れてみたいと言います。ドラゴンの刺青がいいと言ってどんな意味があるのかと聞くのでフィリピン留学の時にカレンに説明した刺青についての話しをしてあげるととても喜んでいました。
彼にスペイン語も話せるのか聞くと話せると言います。スペイン語の方が話しやすいけど仕事のボスに嫌われるんだ。英語を話さないというだけでクビになったんだよ。だから今はアーティストとして活動しているんだと教えてくれました。そんな彼は明らかにマヤ系の顔つきです。

サン・イグナシオ
国境からすこし離れた町に泊まることにします。土砂降りの中、町についた僕はゲストハウスを探します。人に道を聞きながら探せるのでゲストハウスはすぐに見つかりました。でも駐車場がありません。ゲストハウスの人にバイクで荷物満載なんだというと駐車場付きのホテルを教えてくれました。ゲストハウスは15ベリーズドルとお得でしたが泣く泣くホテルに泊まります。値段は30ベリーズドル。倍になってちょっとがっかりでしたが熱々のホットシャワーを思う存分浴びれたので大満足です。ホテルの受付の女性も親切で郵便局やお土産物やのことを丁寧に教えてくれました。絵葉書を買うのだというと郵便局はもう休みよ、月曜まで開かないわ、でもあそこの土産物屋なら切手も買えるからそこに行ってみるといいわと教えてくれたのです。おかげで僕は絵葉書企画を果たすことができました。それもこれも英語があればこそです。

随所で心地よさを感じたベリーズですが同時になにか悲しみめいたものを感じてしまうこの国。その理由は言語でした。旅に言葉はいらないという人もいますが、僕は絶対に喋れた方がいいと思っています。僕がこれほどまで心地よく感じた理由は英語以外にありません。2ヶ月間とっても不自由に感じていたことを何もなかったかのように元に戻ったのです。
今日の記事、たった1日の滞在で何がわかると言われてしまえばそれまでですが、たった1日でそれだけ何かを感じさせてしまうこの国、只者ではありません。この記事を書いている今も雨は降り続いています。明日も土砂降りとなると出発はできないかもしれません。もう1日残るかどうか明日の朝決めることにします。

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