選べない自由 と チェチェンイッツァ

IMG_6097先日、僕は記事におみやげ物屋さんが中国製の安物を選んでしまったと書きました。でもそれは違ったかもしれません。選んだのではなくそこにあったというべきだと気がつきました。小さい田舎町を幾つか通った時、そこには商店くらいしかしかありませんでした。衣料品や靴屋を覗くとそこにあるのは決まったデザインのものばかり、洒落たものはなく、選びようがありません。次の町でも同じです。似通ったものしかないのです。若い人に目を向けると彼らは店で見た靴を履き、同じようなシャツを着ています。男の子も女の子も洒落たい年頃だろうにできないのです。靴は黒か茶、シャツもデザインに乏しく、派手な配色のものばかりです。女の人は民族衣装を子供とお揃いで着ていたりしますが、男の子は色あせしたシャツとパンツです。食事にしてもしかり。主食のトルティーヤはいいにしてもおかずは鶏肉、豚肉がほとんどです。味付けも限られています。多少の工夫はありますが大体どこも同じです。幾つかの屋台を覗きます。どこも豚肉と玉ねぎを焼いた具をはさんでいます。店による違いはほぼありませんでした。

IMG_6050一方、大きな町にはコンビニやレストランがあります。有名な衣料品店や靴も選べるだけあるのです。レストランには様々なメニューが並びます。その気になれば日本食だってアメリカのファストフードだって食べられます。でも田舎の町に住む若者にとって都会に出るのは一苦労です。100キロ以上の距離をバス代を払ってまで行く余裕がないのではと考えました。ものの価格が違うのです。やはりお洒落なものは高いのです。彼らが住む町でそんな衣料品を身につけたら鼻高々でしょう。でも彼らがそれを手に入れるには何倍ものお金を払わなくてはならないのです。

小さな町においてはすべてがそうでした。子供の頃からものを選べない生活をしているとそこにあるものだけですませ、ものを持つ喜びやお洒落にお金をかけるということに関心が薄れていくのでしょう。そんな彼らの関心は髪型にありました。男の子はポマードでサイドを塗り固め、バッチリ決めています。女の子はロングヘアーを束ね直しては髪の先っちょを撫でています。髪の毛は自然に伸びるし形を変えやすいので彼らの遊び心をくすぐる最も手軽なファッションなのでしょう。ただし女性の下着だけは原色系のものばかり目につきます。ドン引きしそうな色合いに笑ってしまいましたが、外に干してある洗濯物のカラフルさを見てそれは確信に変わりました。色はとても重要な要素なのです。デザインの多様性は望めなくても色なら染めるだけですから簡単です。やはりものが無いなりにお洒落には関心あるのでしょう。都会は黒やベーシンクな色合いのものがショーケースにならんでいましたがものが溢れる場所とそうで無い場所では人の感覚まで変わるのだと知ります。

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土産物売りたちも同様です。彼らはただ自分が手に入れられる商品を買っているだけで、そもそも新しいデザインや観光客が望むものを知ることがマーケティングにつながることを理解できていません。チェチェンイッツァの土産物屋たちもほぼすべての店で同じ商品展開をしていました。観光客にかける勧誘の声も”やー友達、何が好きなんだ?何ペソだよ何ドルだよ、何ドルにするよ”と金額のことしか言わないのです。日本ならご当地グッズやどんなにうちの店がいいものを売っていて他では買うことが出来ないんだと差別化を図り、それを付加価値として売りにしています。でも小さな町で同じようなものを見て育ってきた彼らにとって差別化や顧客の立場に立って考えるという概念は生まれないのかもしれません。みやげ物屋が並んだ通りを歩きながら、彼らが期待しているのは偶然に店の前で立ち止まってくれる観光客が現れることなんだと思うとちょっと微笑ましくなりました。だってそれはとても呑気そうに見えたからです。それでもやっていけている彼らの生活は豊かではないけれど楽しそうだと感じてしまいます。

ものが無い田舎ですが、僕はそれが不自由だとは思えないのです。選ぶ自由ではなく選べない自由がそこにはあるからです。靴は靴の性能を、服は服の役割を果していればそんなに不便を感じません。人を着ているものでジャッジしたり、足元を見るようなことが無いのです。村の中ではその人の人柄を見ることができるのです。それがどれほど暮らしやすい環境を作っているか、彼らはそれに気がついてはいません。どの店にもドレスコードなどなく客が店にふさわしいかどうかをお金以外のことで判断する必要がないのです。見栄や虚勢を張らずとも普段通りの生き方でいいのです。それはどちらがいい悪いではなくバランスの問題なのです。他人の庭は青く見えるといいますが、僕は今、日本製品の素晴らしさとメキシコ製品の気楽さの狭間で両方を楽しめています。

メキシコはまるで共産圏の国にいるのではないかと思うほどです。東南アジアの共産主義国ベトナムの方がはるかに豊かで、ものがあふれ活気に満ちていました。彼らはドルを獲得しようと必死に資本主義の考え方を自分の商売に取り入れていました。ものの価値は当事者間で必要とするかしないかで変動し、毎日通ったカフェのコーヒーの価格は毎日変わって最後には1/5になっていました。それでも少なくてもベトナム人は確かな価値観を持っていたような気がします。

これから向かうキューバは果してどんな国なのでしょう。これまで僕は資本主義という名のメガネを通して共産主義国を見てきました。ソ連は恐ろしい国で、何を買うにも行列に並ばなければならず、中国は子供の出産まで国が管理し、大義のためには人民の住まいなどいっぺんに蹴散らしてしまう国、東ドイツは人を壁で囲い逃げられないようにしている悲惨な国。でも今やそれらの国はつぶれたり、資本主義を導入し始めるなど変革が進み始めています。そんな中、生粋の共産国家であるのは北朝鮮かキューバくらいだと想像しています。最近はキューバもアメリカとの国交を再開するなどの動きが見えてきていますが、まだまだ2重通貨があったり、給与が均一であったりと興味は尽きることがない国です。一見理想とする国家のように見える光と影、そこにある幸福度がどのようなものなのかその一端でも覗いてみたいものです。

 

遺跡巡りには勉強が足りません

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チェチェンイッツァに行ってきました。この遺跡はよく管理されていました。入場料からして1泊分の安ホテル以上の金額です。迷いましたが入ってみます。遺跡の周りには柵が張ってありどこにも入ることができません。遺跡に登ることもできず、生け贄の台座も遠くから見上げてちっさな石をみて写真と見比べることしか出来ないのです。土産物屋が列をなし、物売りの問いかけに答えるだけで疲れてしまいます。ここに来たのはピラミッドにちょこんとついた蛇の頭をテレビで見た記憶があったからですが、その迫力はテレビの圧勝です。まるで生きているかのように演出された画像を撮るためにどれだけカメラマンが頑張ったかを知

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ることができました。映像編集の仕事は本当に忍耐が必要なんですね。人が感動を覚えるには気の遠くなるような時間をかけなければならないのだと知りました。

せっかく遺跡に来てもガイドブックをさらりと読んだだけの知識では臨場感ありません。センター試験の勉強並みに歴史やエピソードを頭に叩き込んでくればもう少しまともな妄想が膨らむのでしょうが、いかにせん勉強が足りません。ですから僕の感想を真に受けないようにしてください。この遺跡ただ眺めるだけで面白みは感じることができませんでし

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た。説明書きを読んでも「〜と言われている」「〜に使ったと考えられている」といった説明ばかりでハッキリとわかっていないことばかりです。それなら昔、少年誌に掲載されたミキストリという漫画のような得意な能力とか神やブッダは隕石にくっついていたウイルスに感染して超常能力を発揮できるようになったといった突飛な発想の方がよほど楽しめてしまうのです。壁に描かれた骸骨や神の彫刻はそうした発想がしやすいデザインです。生け贄となった人の骸骨の絵も様々な顔をしていて「あーこの人は痛かったんだぁ」「この人は笑いながら殺されたんだぁ」と自分なりの解釈で楽しんでおしまいです。

ピラミッドの向かいに建てられた神殿の前で手を叩くと音が反響してピラミッドがビヨンビヨンと音を立てます。鳴き竜みたいな作りは全世界共通です。球技場でも選手間の声が通りやすいように音響効果が施されていました。神に関係する建物ではこうした音響や照明の工夫が凝っていることが多いのは人を熱狂させるには効果的だとわかっていたのでしょう、女官がクネクネ踊るのも今と変わりありません。芸能と言っていいかわかりませんが人間の根源的な何かを感じました。

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Chichen Itza の紹介です。

One of the wonders of the world, Chichen Itza is an ancient Mayan site dating back to 400 CE, in the Yucatan region of Mexico. The remains show evidence of nearly 1000 years of history in the hands of the Mayan and then the Toltec people. The site was mainly used as a center for ceremonial and religious practice-monuments were created to observe and record movements of the sun, moon and Venus.(Atlas appより)

入場料は245ペソ 入り口には喫茶店、土産物屋、トイレ、郵便局がありました。駐車場はバイク30ペソ
カンクン、メリダからのツアーもあります。少し離れたセノーテに行き泳ぐこともできますが、僕が行った時はイモ洗い状態で入る気が無くなりました。

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