旅の装備を考える

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経験豊富な旅人の持ち物は洗練され、機能的で無駄がありません。全ての装備が必要であり十分に旅人をサポートしています。一つ一つが得意げで、持ち主に対して忠実なしもべであるかのような特別な雰囲気さえ感じ取れます。

旅人のスタイルによって必要な持ち物は違ってきます。「いったいナゼこんな物を?」と思うような物から「あっ!この手があったか」とパチンと手を叩きたくなる物まで様々です。その人の人柄が持ち物ににじみ出ています。

荷物の持ち方は、出発前の旅人のよい参考になります。バックパッカー派、スーツケース派、それぞれが独自のパッキング方をあみ出していて「ほぅ」「ふーん」と感心させられます。いつも大事な物を忘れたり間違えたり、コレが余計でアレが足りないと汗をかく僕はいいやり方を見つけるとすぐに真似させてもらいます。

荷物の重さは旅の重さに反比例します。身軽になればなるほど旅は軽快になります。判っていても心配性の僕はついつい物を持ちすぎてしまいます。少し前から世界一周に向けて装備を揃えはじめました。一つ一つ吟味を重ね慎重に選んでいたつもりでした。ところが先日”ハタ”と気がつきました。キャラバン隊でも組むのか?多過ぎるのです明らかに重量オーバーです。人様のいいとこ取りをしてやろうなどと目論んだのが間違いです。
暮らす様に、それでいて最小限の荷物で旅をする為に必要な装備から考えなくてはなりません。知恵は先人からと決まっています。そこで昔の旅人はどんなスタイルで旅を楽しんでいたのか調べてみました。

江戸時代、お伊勢まいりなど庶民の旅が盛んになりました。初めて遠出をするのですからさぞかし持ち物に悩んだことでしょう。そんな庶民のガイドブックとして『旅行用心集』と言う本がありました。旅の出立ちや持物のことが詳しく書かれています。旅がしやすい服装について「男性は縞柄の上に藍染の半合羽を羽織る。下着は褌、着物を尻からげ。素足に草鞋履き。腰には柄袋のかかった道中差と煙草入れ。肩には振り分け荷物。頭には菅笠。」「女性は髪は島田髷。着物は縞柄の紬、帯は染帯。腰巻は桃色。着物の上に塵除けの浴衣を着て、腰紐で結ぶ。桃色の足絆、足は素足で紐付き草履。手に菅笠と竹の杖を持つ。頭は手ぬぐいで姉さん被り。」とあります。

水戸黄門の弥七とお新です。弥七は肩から紐の両端に箱をぶら下げ、お新は革袋を肩からたすきにかけていました。今で言えばスーツケースとバックパックでしょうか?中身が気になります。それについても書かれています。

他方ヘ赴ク時用意ノ品々大略

失遺の患なからしめんが為衣類、脇指、三尺手拭、頭巾、股引、脚半、足袋、甲掛、下帯、扇子、矢立、手拭、鼻紙、道中記、財布、心覚ノ手帳、胴巻、巾着、小刀、耳掻、キリ、小硯箱、ソロバン、ハカリ、風呂シキ、薬ハ 丸薬 煎薬 但シ膏薬 血ドメ 風薬ノフリ出シ 熊胆等アルベシ、薬袋、針、糸、髪結道具、モノサシ、挑灯、蝋燭、ツケ木、合羽、笠、桐油、弁当箱〔但シメシゴリニテモ〕、綱細引キ三筋ホド。猶其人によりて増減あるべし。

人家遠く深山等を経て行旅中ならば、また其用意もあるべし。ここに記す。

不飢法、石蜜、人参、右各細末し、糊にて丸し、葛を衣にかけて貯べし。甚急飢をたすく。
高山水なく、或悪水にて飲べからざる処にて、渇を止る法あり。
大塩梅〔去皮去核摺て用ゆ、〕七十顆 黒砂糖〔百銭〕 人参〔三分〕各ねり合せ、丹薬のごとくして貯置て、少用れば急に渇を止む。
遠路行の人  草烏頭 細辛 防風  各等分にして、草鞋を水にてぬらし、此薬をふりてふむべし。是いたまずしてよしと也。牛程には番椒粉飯におしまぜ付べし。又嵌甲瘡には兎の毫を付てよし。

長道中ハ勿論四五日ノ旅路トイヘドモ同ジ用意アルベシ。旅行教訓ノ歌ニ「宿トラバ一ニ方角二雪隠三ニ戸ジマリ四ニハ火ノモト」ナド云コトアリ。先宿屋ニトマラバ兼テ用意ノ細引ヲ張リテ、ソレニ手拭タバコ入ト腰下ゲノ類ヲカケ置クベシ。朝早ク発足スルカ急グトキナドハ忘ルルコトアルモノナリ。細引ニカケ置ケバ忘ルルコトナシ。

乱暴に訳せば、旅行にはこれを持って行きなよ

急な腹痛でうんこを漏らしちゃった時のため着替え一式、ハンカチ、チリ紙、タオル、腹巻き、財布、手帳、筆記具、貴重品入れ、電卓、化粧道具、裁縫道具、懐中電灯、傘、十徳ナイフ、街歩き用のバック、弁当箱、薬と洗濯ヒモは3mだ。持ってくもんは人によって変わるんだぜ。山奥を旅するヤツにはこれも必要だから書いとくよ。非常食を持ってきな助かるぜ。山は水が悪いからなアメを持ってけよ口にすれば喉の乾きに効くからさ。うんとこ歩くヤツは靴底にソールを入れときな痛くなんねーぜ。マメが出来ちゃったり、アカメロにむけちゃったらバンドエイドを張っときな。

忘れちゃならない物は、パスポート(印板)、iPhone(手帳筆記具、鏡、提灯)、ライター、パックセーフ(麻綱)、扇子、裁縫道具、櫛とポマード。それから十徳ナイフは便利だから持ってくんだぜ。

4~5日から長旅まで、出かける時の装備は同じさ。安宿に着いたらまずこれはやっとけよ、一に避難路ニにトイレ三に戸締り四火の元だ。それを確かめたら持ってきたヒモで自分の居場所を囲っちまえ、腰から下げた手拭いや煙草入れをぶら下げとけよ。次の日よく忘れる奴がいるからさ。

なんとシンプル。先人の知恵はたいしたものです。最小限にして身だしなみからエマージェンシーまで全て事足りています。持っていくべきものが見えてきました。次は旅の七つ道具について考えます。

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旅の装備を考える」への2件のフィードバック

  1. あおき

    こんにちわ。

    ゆっくりできる時間がないとなかなかネットを開かないので遅くなってしまいました。

    むむ・・とても面白いですねえ。
    山が好きな私としては、先人の山装備も調べてみたいと思いました。

    とてもナチュラルで素敵なブログですね。
    購読させていただきます(^^)/

    返信
    1. HIDEKI 投稿作成者

      こんにちは青木さん
      コメントありがとうございます。なんと初めてのお客様ですよ。スバラシイゲストに認定されました(笑)それから購読ありがとうございます。
      実はキャンプ道具は青木さんに全て一任してました。経験にもとづいたアドバイスが的確で話にブレがなかったからです。
      今日から四国お遍路でいくつかのツールをテストします。インプレッションしますから。携帯しか持っていないのでブログの更新は微妙ですが頑張ります。Facebookもやってますのでリアルタイムにあげてくつもりです。名前で検索して見てください。
      あまり褒めると鼻が伸びてしまいますので辛口コメントもお願いします。

      返信

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