ニューヨークへいきたいかぁ〜

IMG_3279ニューヨークへ行きたいかぁ〜
子供の頃、福留アナの大きな声で始ったクイズ番組を見たときの衝撃は強烈でした。アメリカを横断しながら次々にふるいにかけられる参加者達、容赦のない罰ゲームもさることながらアメリカ大陸の広大さや次々に現れる自然や都会の光景に僕はテレビの前で釘付けになりました。決勝の地はニューヨーク、エンパイアステートビルの屋上での一騎打ち、世界一のビルとして知られたビルの屋上から見下ろすニューヨークの摩天楼は僕に世界の広さと叶わね夢があることを教えてくれました。あのIMG_3231時から40年近く経ち僕はニューヨークにいます。テレビやネットでしか知らなかった世界が目の前にあります。

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夥しいネオンと川のように流れていく人々。ビルは瞬いて、タイムズスクエアはまばゆい光に包まれています。ミュージカルシアター前の人だかり、セントラルパークの周りに建つビルはセレブリティー達の住まいとなっています。すべてを消費し尽くすかのようなエネルギーがこの都市を支配していました。白も黒も茶も黄もこの都市では同じ方向を向き、欲望を満たそうと夢を見ています。生産することのない街がとてつもない力を持っているような不思議な都市です。街中がただただお金を使うことだけを要求し、食べ尽くし、遊興の限りで埋め尽くされたこの都市に人々は惹かれ、やってきているように見えました。そこにはたった5ドルのために自分の体にアメリカの国旗をペイントした裸同然の女が写真を観光客に撮らせ、その向こうでは鍛え上げた体の黒人が道行く人に淫猥な声をかけ写真を撮らせていました。映画のキャラクター、自由の女神、ディズニーキャラクター、アメリカが産んだ全てが集約されていました。

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タイムズスクエアで僕は街角に立ち尽くしてしまいました。1日中この都市に僕の居場所を探し、歩き回ってもそれを見つけることは叶いませんでした。どこにいても人の大きな声、サイレン、車のクラクション、鉄橋を渡る地下鉄の音が鳴り響き、打って変わってハーレムの静けさ、僕は心のざわつきを抑えることができませんでした。それは9.11に起きたあの衝撃が繰り返し僕の脳裏に蘇ったからです。当時僕はまだ仕事をしていました。夜中に仕事を終えテレビをつけると大きなビルからモウモウと煙が上がりっていました。最初、映画だと思っていた僕は2機目の飛行機が突っ込むのを見て始めてアレが現実だということに気がつきました。街中の人が空を見上げ呆然としています。サイレンが鳴り響き、真っ白な服を来た人々がこちらに向かって逃げてくるのを見ました。白い人々は埃にまみれていたのです。ビルが崩れ去りあっという間にアメリカのシンボルがなくなってしまったのを僕はただ呆然と見ていました。それは子供の時の夢のような場所が崩壊してゆく姿でした。

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あのビルの跡地はグランドゼロと呼ばれる場所になっています。そこに行ったから何かがわかるわけではないのです。なぜビンラディンがあのようなことをしたのか、イスラム教とはなんなのか、アメリカが何をして、なぜ彼らが罪のない人々を容赦なく殺してしまったのか、僕には到底わかるはずもありません。それでも僕はアメリカを旅してきてアメリカ人の正義という名のエゴや隠れた人種差別、強気の裏に隠れ見える不安や葛藤を少しだけ感じることができました。これまでアメリカというフィルターを通して刷り込まれてきた世界が実は少し違うこともわかってきました。

グランドゼロに立った僕は鳥肌が収まりませんでした。跡地にはすでに新しいワールドトレードセンタービルが建ち太陽の光をいっぱいに受けていました。でもすぐ下のモニュメントには亡くなった方達の名前が刻み込まれ、白いバラがそっと添えてあるのです。僕は上を見上げ飛行機が突っ込んでいく様を想像しました。どれだけの恐怖がここを支配したのかと思うと居ても立ってもいられませんでした。落ちてくる人が地面に叩きつけらる音や人々の悲鳴が聞こえてくるようで早く逃げ出したい気持ちになりました。でも僕にはもう一つ考えなくてはならないことがありました。それは犯人側から見た9.11です。ビンラディンのアルカイダから見ればアメリカは憎っくき敵です。巨大で叶うはずのない大国に対して1組織が歯向かったのです。彼らからして見れば犯人は英雄でしょう。イスラム教徒の国々で冷戦、覇権争いを代理でさせられて来た彼らからして見れば大きな出来事であったに違いありません。決してテロは容認できるものではありませんが自国を戦場にされ武器を渡されて代理で戦争を強いられた人々の無念を晴らせたと感じたに違いありません。アメリカと親密な関係にあったビンラディンがなぜ歯向かうに至ったのかを考えなければ事実を見逃してしまうと思ったのです。

IMG_3354自由の女神を望む海岸線の歩道を歩きながら僕はアラブ人、ワスプと呼ばれる白人、アメリカ経済を牛耳るユダヤ人とそれぞれの宗教感に思いを巡らし、アメリカの政治についてぼんやりと考えていました。でもきっと誰もそれをわかる人はいないでしょう。昔、神様が人間をアフリカに住まわせていた頃はすべての人が同じ言語を話していたそうです。でも人間は神様の言うことを聞かず世界中に散らばって行き、あらゆるものを駆逐しだしたのを見て、怒った神様が互いにコミュニケーションが取れないように言語を変えてしまったと言われています。アメリカ、アラブ、ユダヤの3者は同じ1つの神を信じるにもかかわらず互いにコミュニケーションが取れず。宗教、政治、経済についてもすれ違っているままです。それを多神教の国に生まれた違う言語を使う僕に理解することはこれから先、人間が同じ言語を使うようになるまでわからないのだと確信めいたものを感じました。

タイムズスクエアに戻った僕はホットドッグを頬張り、ブロードウエイミュージカルのチケットを購入しました。幕が上がり演目が始まってすぐ僕はその迫力に飲み込まれ強く惹きつけられました。演出もさることながら人が自分の歌声と踊りでこれだけ見るものを惹きつけられるのだと知りました。これを観て初めてShowという単語の意味がわかりました。人に観せるということはこういうことなんだと教えられました。

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1日から4日まで、実質ニューヨークを観光できたのは2日、非常に短い時間でしたが、僕はこの都市に圧倒されっぱなしでした。あまりにも多くの情報がいっぺんに押し寄せてきて消化しきれぬままに去ることになります。この記事は僕が今まで書いてきた中で一番難しい記事となりました。あまりにも不完全、何回書き直してもうまく気持ちを表すことができませんでした。でも感じたことを素直に出すのがいいと思い、アップすることにしました。読み苦しい点ご容赦いただきたいと思います。いつか考えがきちんとまとまった時点でもう一度書き直したいと思っています。

最後に”ニューヨークへ行きたいかぁ〜” と聞かれれば僕は全力で”おーっ”と叫ぶでしょう。それはすでに叶わぬ夢ではなくなっているからです。世界は広いままですが僕はその大きさを知り始めています。

 

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