メキシコとビールとホットケーキ

IMG_2924 IMG_2934この2日間は子供に戻ったかのように楽しい夢のような時間でした。ダニーが来たのは夕方、ドカドカとやって来て冷蔵庫からビールを出して勝手に飲みだします。釣りの話をした後に一杯やりに行きたいと彼が言い出したことが始まりでした。二人が選ぶのは品のない如何にもといった場所。オシャレ感のまったくないオヤジの飲み屋です。座る席も端っこの暗い片隅です。バーテンの女の子が注文を取りに来ます。ダニーは”ヒデキ、見てみろあのボイン”といってブーと唇を震わせてニヤリとしています。出されたカクテルの濃いこと、一口飲んで記憶がよみがえりました。これは去年来た時にブレイクに飲まされて一撃で撃沈したカクテルです。あ〜と思いながらも1杯のつもりが2杯3杯となります。一度家に戻り何か食べようとした時に今度はブレイクが魚が海岸に大群でやって来ているから観に行こうと言い出した。僕は絶対にいないと思っていましたが彼のエンジンはすでにかかりだしていました。

IMG_2948 浜へ行くと案の定何もいません。波にパンツを洗われながら目を凝らしますが1匹もいないのに、今日は2時間遅かったと訳のわからないことを大真面目に言うのです。ブレイクに見たことがあるのかと聞くと1度もないと平気で答えます。ブレイクはたまに変な自信を持っていることがあり絶対に曲げようとしません。末っ子の特徴丸出しなのにまるで兄貴気取りの彼。長男の僕は”あーまた始まった”と思いながら聞き流しています。でも彼が楽しませてくれようとしていることがわかるので僕は嫌な気持ちになりません。飲み続ける彼ら、僕はいやーな予感がしていました。するとダニーが子供の頃に書いた俺の名前が路上にあるんだと言い出します。見に行くと確かに書かれています。コンクリが乾ききる前に棒で書いた下手くそな字で彼の名前がありました。”前はもっとハッキリ見えたんだ、ほらここ”と彼は誇らしそうに自慢して笑っています。ダニーが子供に戻って行きました。30年以上も前に書いたイタズラ書きを未だに自慢するところが可愛らしくて苦笑いするしかありません。でもタイムマシーンで少年時代に戻れるかのようなその落書きはとても魅力がありました。

IMG_2955家に戻るかと思いきや今度はまた違うバーに向かいます。閉店までいてもまだ帰りません。家に戻ったのは3時近く。今度はブレイクが何か食べたいとワガママを言い出します。ブレイクは飲んだ後のラーメンみたいに何かを食べないと収まりがつかないようです。僕に何か作れとしつこく言ってきます。作ってあげるとこの味は嫌だスパゲッティを作れとワガママ全開になり出します。ブレイクも駄々っ子に戻りました。4時を過ぎた頃やっと寝ます。ダニーは5時に仕事に行くといっています。早朝、電話の音で目が覚めます。ダニーが電話でボスに言い訳をしています。最後は今日はいけないと言ってまた寝てしまいました。

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9時過ぎにダニーが起きます。開口一番、目覚ましが鳴らなかったよなと僕に同意を求めています。僕はダシに使われたことを確信します。ダニーはブレイクの部屋に入り、バシバシブレイクを叩きながらメキシコに行くぞと言うと冷蔵庫を開けビールを飲みだしました。パスポートを持って一路メキシコへ。メキシコに入りしばらく行った街道沿いのタコス屋に入りタコスを頼みます。小さなタコスは本当に美味しくて、これまで食べていたのは何だったのかと思うほどの味でした。もっと食べたかったのですが食べ終えるとすぐに出発。次の小さな町に寄ります。海岸沿いのバーに行きました。ここでも早速ビール、テキーラ、ビール、ビールと二人の勢いはますます良くなって行きます。今日はタコス屋を3軒いくんだ、ナイスなバーがたくさんあるんだ、魚介のカクテルを食べて目一杯楽しむぞと張り切っています。

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1時間ほどして次はエンセナーダに向け出発します。途中コンビニで二人はビールを買って水のように飲んでいきます。町に着くと早速”ここは、この町の古いバーだいいだろ”とい言ってはビールを頼んでいます。何軒か回るうちにどうやら銘柄によって飲む店を変えているらしいとわかります。勝手知ったる様子で3軒、4軒とはしごしていきます。合間に市場に寄ったりしながら二人の手からビールが離れることはありません。市場に併設された食堂の前で僕がメニューを覗いているとダニーが”ヒデキ、こんなのところのはダメだ、ここで食った時に俺はひどい目に遭ったんだ”といってオエーと舌を出し、次にブリーと言いながら尻を出したて交互に突き出しています。”見てみろ奴らはマヨネーズを冷蔵庫に入れないんだ、あんなの食ったらやられるぞ”と大きな声で豪快に舌と尻を交互に突き出すので僕はハラハラしてしまうながらも笑ってしまいました。ダニーはスペイン語がペラペラですぐに町の人や店の女の子と仲良くなります。前向きな性格で本当に下品で笑えることばかり言っています。二人はいよいよ酔っ払い出してまぁ聞くに堪えないことばかり、”ヒデキ、この子なら100ドルだ””あそこの薬局でバイアグラを買って2階へ行ってこい””俺にはちょっと年をとりすぎだけどな”と言っては自慢のメキシコ人の彼女の写真を見せます。”見てみろヒデキ、21歳だ。彼女はホットケーキだ大好きなんだ。ほら”女の子の前で平気で言うのです。女の子も笑いながらスペイン語で何か言っていますが僕にはわかりません。やりたい放題の彼らですが何故か物売りもポン引きも彼らにはしつこくしません。

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ダニーは”ヒデキカクテルを食べに行くぞ”と言うと近くのレストランに連れて行ってくれました。ここのミックスカクテルは本当にバカウマです。新鮮な魚介とトマトベースの濃厚なソース。セビチェのようなさらさらした感じでない味に酔いも吹っ飛びます。伊勢海老も美味しくて安いので驚きです。食べ終わるとまた違う店に。ここでもビールのオンパレードです。どれだけ飲めるんだと感心してしまいます。ダニーはこれは水と一緒だと言ってシラっとしています。ブレイクはテキーラをカウンターに行っては飲んでくるので絶好調です。僕は帰っても絶対にメシは作らないかならなとと言うと俺はなんでもできるから平気だと言っています。ダニーが参戦し、レシピ合戦に発展しました。二人はお互いの母親に聞いたんだろと言い合ったり、インターネットで調べやがってとけなし合っています。

9時を過ぎたあたりでやっと腰を上げ、車に戻ります。畜生ガソリンがないと言ってスタンドに寄ると給油をせずにビールを買っています。ガソリンを入れずに出発してしまい。次のガソリンスタンドに入り直します。給油を終えて再び出発すると友達のところへ寄ると言いだしました。少し山寄りの住宅地で彼らの友人宅に行きました。彼はブレイクの同僚で、退職後に住む家をメキシコに建てています。仕事の合間を縫ってここまで家を作りに来ているそうです。大きくはないけれどここに窓を入れて、バスルームはこうしてと熱く語る彼の話はとても夢がありました。蚊に刺された二人はサソリだと言ってはしゃいでいます。話はまたもや彼女の話に、彼が最近の彼女の話をし始めたところですかさずダニーが写真を用意します。そして言うのです”年寄りだな。俺のは若いぞ21だ。ホットケーキが好きなんだよ”と。ここでも彼の家のビールを飲みつくした二人。帰りの車で友人はビールが嫌いだと言ってたのにヤツは10本も飲みやがったと言っています。だってあのビールは彼のなのにと言おうとしましたがもはや何を言っても無駄なのは明白です。腹が減ったと言い出し、喉が渇いたと言ってはビールを飲んでます、疲れた長い1日だったとため息をついたり日本の酔っ払いと全く同じなのには笑えました。

家に戻ってきたのは2時近く。今日はさすがにブレイクもわがままを言いません。腹が減ったから何か買ってくると言って出かけて行きました。僕がシャワーを浴び終えると買ってきたタコスをムシャムシャと食べているブレイクがちょっとかわいそうになりましたが、さっさと寝てしまいました。

この二日間はまるで映画「ハングオーバー」のようでした。こんなにハチャメチャに楽しんだのはいつ以来でしょうか。アメリカ人の底抜けの明るさと、間抜けなところ、フレンドリーでわがままでしょうもない人種ですが見習うところが多々あると思います。なぜなら彼らは人生を心から楽しんでいるように見えるからです。文句ばかりを言ってはいますが、僕の目には楽しそうに見えました。ともあれメキシコとビールとホットケーキを楽しんで来た2日間。ホットケーキを見るたびにダニーの自慢げな顔が浮かびそうです。

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メキシコとビールとホットケーキ」への2件のフィードバック

    1. HIDEKI 投稿作成者

      あおきさん
      思いっきりハッチャケましたよ。メキシコは全然雰囲気がアメリカと違います。こんな感じのいい国をアメリカ人たちは危険だ危険だと騒ぐのですが、行って見れば自分たちが大騒ぎをしているのはなんとも不思議な感じです。下見ついでのメキシコでしたが暑いキャンプになりそうな予感です。

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