よろず走り書きその2

眠い目をこすって港に向かう。風に煽られ寒さに震えながら港の窓口へ。受付の女は冷たく「今日はキャンセルになったわ」とにべもなく言い放った。「ここで待ってもいい?」と聞くと「OK」という。待合室は暖かいし持久戦を覚悟してコンセントの近くに陣取って寝転がった。
フェリーは1日1便だった。明日まで待たなくてはならないし、あいにく明日の便は満員だった。キャンセルの順番待ちをするためにここで待たなければならない。

雲はひっきりなしに向こうからやってきてこっちへと抜けていく。色をなくしてしまった森は水墨画のようになり、雲は薄めた墨汁のようだ。シトカは外海に面した街なのできっと大荒れなのだろう。明日の朝4時半、フェリーが到着するまでの我慢だ。

お腹が空いたのでスーパーへ行ってみる。保存が効いて軽いものを探すがパンにつける何かを探してもみな瓶かカンに入っていて巨大なサイズばかりなのでサンドウィッチを買って帰る。

アメリカ人の旅人は何を食べているのか気になりパッカーの食事を覗き見る。食パン、ピーナツバター、バナナ。よくある小さめの茶色い食パンにあのデカイ瓶詰めのピーナツバターをスプーンですくってバナナを刻み食パンをのせると、男も女も大きな口でガバリと噛み付く。すべて平らげて水を飲んでおしまい。

日本は食事にこだわり何を食べても一定以上の品質を保っている。おそらく何を食べても世界一美味しいものは日本にあるのではないかと思う。残念ながらいつも一人旅なのでフランスの三つ星レストランでは食べたことがないのでわからないが、日本人向けの味ということを差し引いても日本が美味しいと思う。

それでも剛にいれば業に従わなければならないので早く彼等のような食生活に慣れなければならないとは思うが、痩せすぎてしまうのが難点だ。3日もこちらの食生活をしていると高カロリーなはずなのに痩せてきてしまう。日本で買ったパンツやシャツがすでにブカブカし始めていていつもパンツをずりあげているのは少々みっともない。

 

今日の一言
どうやら僕の旅のスピードはえらく遅いようです。後から旅をスタートされた さんはとっくにバンフ、シャスパーを抜けてアンカレッジに向けて北上中です。
いく先々で足が止まる僕の間の悪さにはなす術がありません。フリーの旅とはこんなものなのか?空港で見かける時間待ちのパッカー達とは少し違うような気がしています。ともあれ、そんな旅先で出会う人達の親切なこと。話もできるし、とても助けてもらっています。いつかは僕が助ける側になれればいいのですが。

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