言葉は旅のツールか

旅先のカフェなどで耳に入る言葉は様々だけれど、欧州ではスペイン語をよく耳にした。一方、空港やホテル、観光名所にレストランでは英語が主流。
英語を母国語としない国でも「ココハドコダッタカシラ」と思ってしまうほど皆さん流暢に英語をお話になる。白、黒、茶、黄、ニイちゃん、ネエちゃん、オッサン、オバハンが堂々と青い目の方達と渡り合っている。

困ったときになんとか現地の言葉を紡いで「プロミュテ」「エクスキュゼモア」「エントシュルディグング」「スミマセン」と尋ねるとたいてい情けをいただける。「デュクイー」「ダンケ」「スパシーバ」「カームオン」「アリガトウ」と礼を言う。たどたどしい感謝に笑顔で応えてくれる。

母国語を話し、公用語と国語、第○外国語を使いこなす人々。島国でないからはウソ、うんと小さな島から来た人、大きな島から来た人がきちんとお話しになる。たしかに欧州では多言語を使いこなすのもわかるが、アジアのバイタク、トゥクトゥクのウンちゃん、マッサージ嬢までもが話すのには感心させられっぱなし。

安宿の下働きの兄さんは、参考書を片手に「イツカオカネモチニナルンダ」と熱っぽくぶち上げる。たじたじになりながら「そうなるといいね」としか応えられない。道端にしゃがみ込んでご飯を食べながら英語の教科書を眺める小学生に姉さんがハッパをかけていた。さらに小さくしゃがみ込み安メシをかき込む。石ころでくみ上げた塀に座り、たどたどしく英語を朗読する少女。近づくことすらはばかれるほど熱心であった。実践あるのみとモノを売りつけにくる少年。生きるために英語を話す強みに「 のーさんくすぼーい」とむき出しの日本英語で笑うしかない。

映画「食べて、祈って、恋をして」のジュリア・ロバーツもあっという間にイタリア語をマスターして料理を注文していたが、実際、外人の言語習得能力には驚かされる。
彼らに言わせると「言葉は勉強ではないでしょ?」とケロと言うから始末に悪い。なぜ?と聞くと言葉はツールだと言う。そして日本人は何年英語をやっているかと聞かれ、6~10年というとハンと鼻で笑われてしまう。耳まで赤くして逃げ出したくなる。

こんなに便利で電源もいらず、荷物にもならない旅行グッズは他にない。にもかかわらず僕は未だ手に入れる事が出来ない。カメラ、湯沸かし棒や洗濯キットはとっくのとうに揃ったのに。

どんなにガイドブックやアプリに文化や背景が事細かに書かれていようが、現地の子供の一言の方がよほどわかりやすい。絶対おなかを壊しそうな屋台で隣にいる男の子に「おなか壊さないの?」と聞くと「壊すよたまに」とニコッと笑いながら答えてくれた。

このツールさえあれば出会いのチャンスが何倍にもなり旅が愉快にふくれあがる。道に迷って途方に暮れる事なく、エアコンやシャワーが壊れていたって我慢しなくていい。食べたい物を注文でき、思いもよらない場所を訪ねることが出来る。このツールだけは手に入れたい。なくてもいいが、手に入れたらきっとスゴイに違いない。ぜったいお得なこのツール、Amazonでは買うことが出来ない。

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